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1-2-8 法令科目 民法 265条-302条/1044条 地上権

 

第四章 地上権

 

本権の中の所有権について2回にわたって解説してきましたが、今回は制限物権のうちの用益物権4種類、①地上権、②永小作権、③地役権、④入会権――について解説します。

Ⅰ.地上権
地上権とは、植林や建造物の所有を目的として、他人の土地を利用する制限物権です。
例えば、自分の家を所有するために他人の土地を利用させてもらうような場合に、地上権を設定することができます。
土地を利用させてもらうには、
①物権である地上権設定契約
②債権である土地賃貸借契約――の2つの方法があります。
土地を利用させてもらうという外見では同じに見える2つですが、物権と債権の性質の違いで、利用権者に次のような違いが生じます。
地上権は物権なので、その権利を他人譲渡する場合に、土地所有者である地主さんの承諾を得る必要はありません。
一方債権である賃借権では、地主さんの承諾はもちろん必要です。
また、第三者が勝手に土地を占拠してしまったような場合、地上権の場合は、物権的請求権の行使として妨害排除請求ができますが、債権である賃借権者には、法律上は妨害排除請求が規定されていません。ただし、判例では、対抗力ある賃借権の場合(後に賃借権で解説)妨害排除を認めています。
さらに、権利の存続期間を見ると、地上権では永久の地上権設定も有りですが、賃借権は民法では通常最長20年、建物の所有を目的とする場合で借地借家法*の普通借地権で30年と、定められています。
*【借地借家法】前述のように、同じ建物所有を目的として土地を利用する場合に、物権である地上権と債権である賃借権とでは、権利の地位に大きな差が生じますが、実際に建物所有のために他人の土地を利用する場合は賃借権で利用することが多いため、利用者保護の観点から、借地借家法で統一的に規制されるシステムになっています。
さて、地上権の効力ですが、植林、建造物所有のために土地利用できることは当然ですが、存続期間は永久とするのが判例です。また、地代の支払いは地上権の要件とはなっていないことも特徴です。
地上権の一つに地下または空間の上下の範囲を限って工作物を所有するための地上権を区分地上権と言います。
例えば、他人所有の土地の地下に地下鉄を敷設する地下地上権や送電線敷設のための空中地上権などが、これに当たります。

Ⅱ.永小作権
永小作権とは、耕作または牧畜をするために小作料を払って他人の土地を利用する制限物権で、小作料の支払いが必要です。
昔、荒地を開墾する必要があった時代には、開墾した者に与えられた極めて強い特権として与えられた権利ですが、現代では、制限物権の1つとして残っている権利です。
民法では、永小作権の存続期間は20年以上50年以下と決められています。民法が施行されたときにすでにあった永小作権も施行後50年で打ち切られています。
今日、永小作権を設定するためには、農地法による都道府県知事などによる認可も必要で、対抗要件は通常の登記のほか、農地法による引渡しも必要です。
永小作権は、戦後の農地改革の買収処分の対象となったので、現在ではほとんど見られません。

Ⅲ.地役権
地役権とは、ある土地の便益のために、他人の土地を利用する制限物権です。
例えば、通行のために土地Aの所有者が、土地Bを通行する権利などです。この場合の土地Aを土地Bの地役を要するという意味で要役地、土地Bを土地Aの地役を了承するという意味で承役地と言います。
地役権は、要役地の所有者が誰かは関係なく、要役地から客観的に要請される権利なので、個人的な便宜のために地役権を設定することはできません。つまり、要役地が他人に譲渡された場合は、承役地上の地役権も当然に要役地の新所有者に移転するので、所有権移転登記とは別に地役権移転登記を行わなければなりません。これを地役権の附従性と言います。
また、要役地が共有の場合には、その共有者の一人が自分の持分に応じた地役権の放棄をしたいと思っても行えず、地役権は全部として存続します。これを地役権の不可分性と言います。
地役権はその態様により、
①継続地役権、
②不継続地役権――に分けたり、
❶表現地役権、
❷不表現地役権――に分けたりします。
例えば通行地役権の場合、通路が設けてあれば継続地役権ですが、通路がなければ不継続地役権となります。また、隣地に引水のためにパイプを通す場合に、パイプを土地の表面に這わせて外部から見えれば表現地役権、地中に埋めて見えなければ不表現地役権となります。
地役権の存続期間については、特に定めがなく、地上権と同じく永久地役権も認められると解釈されています。
また、地役権発生は、地役権設定契約が原則ですが、継続かつ表現の地役権には、時効取得も認められています。
判例によれば、通行地役権の時効取得は通路開設が要役地所有者によって行われることが必要です。

Ⅳ.入会権
民法で定められたもう一つの制限物権に入会権があります。入会権は一定の地域に居住する住民集団が、山林原野・漁場・用水などを総有的に支配する権利です。共有の性質がない入会権は、各地方の慣習に従うほか、地役権の規定を準用することとなっています。

 

 

(地上権の内容)
第二百六十五条  地上権者は、他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する権利を有する。
(地代)
第二百六十六条  第二百七十四条から第二百七十六条までの規定は、地上権者が土地の所有者に定期の地代を支払わなければならない場合について準用する。
2  地代については、前項に規定するもののほか、その性質に反しない限り、賃貸借に関する規定を準用する。
(相隣関係の規定の準用)
第二百六十七条  前章第一節第二款(相隣関係)の規定は、地上権者間又は地上権者と土地の所有者との間について準用する。ただし、第二百二十九条の規定は、境界線上の工作物が地上権の設定後に設けられた場合に限り、地上権者について準用する。
(地上権の存続期間)
第二百六十八条  設定行為で地上権の存続期間を定めなかった場合において、別段の慣習がないときは、地上権者は、いつでもその権利を放棄することができる。ただし、地代を支払うべきときは、一年前に予告をし、又は期限の到来していない一年分の地代を支払わなければならない。
2  地上権者が前項の規定によりその権利を放棄しないときは、裁判所は、当事者の請求により、二十年以上五十年以下の範囲内において、工作物又は竹木の種類及び状況その他地上権の設定当時の事情を考慮して、その存続期間を定める。
(工作物等の収去等)
第二百六十九条  地上権者は、その権利が消滅した時に、土地を原状に復してその工作物及び竹木を収去することができる。ただし、土地の所有者が時価相当額を提供してこれを買い取る旨を通知したときは、地上権者は、正当な理由がなければ、これを拒むことができない。
2  前項の規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。
(地下又は空間を目的とする地上権)
第二百六十九条の二  地下又は空間は、工作物を所有するため、上下の範囲を定めて地上権の目的とすることができる。この場合においては、設定行為で、地上権の行使のためにその土地の使用に制限を加えることができる。
2  前項の地上権は、第三者がその土地の使用又は収益をする権利を有する場合においても、その権利又はこれを目的とする権利を有するすべての者の承諾があるときは、設定することができる。この場合において、土地の使用又は収益をする権利を有する者は、その地上権の行使を妨げることができない。
第五章 永小作権
(永小作権の内容)
第二百七十条  永小作人は、小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利を有する。
(永小作人による土地の変更の制限)
第二百七十一条  永小作人は、土地に対して、回復することのできない損害を生ずべき変更を加えることができない。
(永小作権の譲渡又は土地の賃貸)
第二百七十二条  永小作人は、その権利を他人に譲り渡し、又はその権利の存続期間内において耕作若しくは牧畜のため土地を賃貸することができる。ただし、設定行為で禁じたときは、この限りでない。
(賃貸借に関する規定の準用)
第二百七十三条  永小作人の義務については、この章の規定及び設定行為で定めるもののほか、その性質に反しない限り、賃貸借に関する規定を準用する。
(小作料の減免)
第二百七十四条  永小作人は、不可抗力により収益について損失を受けたときであっても、小作料の免除又は減額を請求することができない。
(永小作権の放棄)
第二百七十五条  永小作人は、不可抗力によって、引き続き三年以上全く収益を得ず、又は五年以上小作料より少ない収益を得たときは、その権利を放棄することができる。
(永小作権の消滅請求)
第二百七十六条  永小作人が引き続き二年以上小作料の支払を怠ったときは、土地の所有者は、永小作権の消滅を請求することができる。
(永小作権に関する慣習)
第二百七十七条  第二百七十一条から前条までの規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。
(永小作権の存続期間)
第二百七十八条  永小作権の存続期間は、二十年以上五十年以下とする。設定行為で五十年より長い期間を定めたときであっても、その期間は、五十年とする。
2  永小作権の設定は、更新することができる。ただし、その存続期間は、更新の時から五十年を超えることができない。
3  設定行為で永小作権の存続期間を定めなかったときは、その期間は、別段の慣習がある場合を除き、三十年とする。
(工作物等の収去等)
第二百七十九条  第二百六十九条の規定は、永小作権について準用する。
第六章 地役権
(地役権の内容)
第二百八十条  地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する。ただし、第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しないものでなければならない。
(地役権の付従性)
第二百八十一条  地役権は、要役地(地役権者の土地であって、他人の土地から便益を受けるものをいう。以下同じ。)の所有権に従たるものとして、その所有権とともに移転し、又は要役地について存する他の権利の目的となるものとする。ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。
2  地役権は、要役地から分離して譲り渡し、又は他の権利の目的とすることができない。
(地役権の不可分性)
第二百八十二条  土地の共有者の一人は、その持分につき、その土地のために又はその土地について存する地役権を消滅させることができない。
2  土地の分割又はその一部の譲渡の場合には、地役権は、その各部のために又はその各部について存する。ただし、地役権がその性質により土地の一部のみに関するときは、この限りでない。
(地役権の時効取得)
第二百八十三条  地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる。
第二百八十四条    土地の共有者の一人が時効によって地役権を取得したときは、他の共有者も、これを取得する。
2  共有者に対する時効の中断は、地役権を行使する各共有者に対してしなければ、その効力を生じない。
3  地役権を行使する共有者が数人ある場合には、その一人について時効の停止の原因があっても、時効は、各共有者のために進行する。
(用水地役権)
第二百八十五条  用水地役権の承役地(地役権者以外の者の土地であって、要役地の便益に供されるものをいう。以下同じ。)において、水が要役地及び承役地の需要に比して不足するときは、その各土地の需要に応じて、まずこれを生活用に供し、その残余を他の用途に供するものとする。ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。
2  同一の承役地について数個の用水地役権を設定したときは、後の地役権者は、前の地役権者の水の使用を妨げてはならない。
(承役地の所有者の工作物の設置義務等)
第二百八十六条  設定行為又は設定後の契約により、承役地の所有者が自己の費用で地役権の行使のために工作物を設け、又はその修繕をする義務を負担したときは、承役地の所有者の特定承継人も、その義務を負担する。
第二百八十七条    承役地の所有者は、いつでも、地役権に必要な土地の部分の所有権を放棄して地役権者に移転し、これにより前条の義務を免れることができる。
(承役地の所有者の工作物の使用)
第二百八十八条  承役地の所有者は、地役権の行使を妨げない範囲内において、その行使のために承役地の上に設けられた工作物を使用することができる。
2  前項の場合には、承役地の所有者は、その利益を受ける割合に応じて、工作物の設置及び保存の費用を分担しなければならない。
(承役地の時効取得による地役権の消滅)
第二百八十九条  承役地の占有者が取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、地役権は、これによって消滅する。
第二百九十条    前条の規定による地役権の消滅時効は、地役権者がその権利を行使することによって中断する。
(地役権の消滅時効)
第二百九十一条  第百六十七条第二項に規定する消滅時効の期間は、継続的でなく行使される地役権については最後の行使の時から起算し、継続的に行使される地役権についてはその行使を妨げる事実が生じた時から起算する。
第二百九十二条    要役地が数人の共有に属する場合において、その一人のために時効の中断又は停止があるときは、その中断又は停止は、他の共有者のためにも、その効力を生ずる。
第二百九十三条    地役権者がその権利の一部を行使しないときは、その部分のみが時効によって消滅する。
(共有の性質を有しない入会権)
第二百九十四条  共有の性質を有しない入会権については、各地方の慣習に従うほか、この章の規定を準用する。
第七章 留置権

 

 

物権が、まず占有権と本権に、その本権がさらに所有権と制限物権に、その制限物権がさらに用益物権と担保物権に分かれることは今までに解説したとおりです。今回は、担保物権について詳しく解説し、その一つ留置権を見てみましょう。

Ⅰ.担保物権総論
皆さんご存知のとおり、担保は借りたお金が返せなくなったら持っていかれてしまう物のことです。法的な担保物権の定義は、債権の履行確保のために、物の上に債権者が優先的に権利行使を認められる権利とされています。
そして、さらに担保物権は、
①法定担保物権
②約定担保物権――に分けることができます。
法定担保物権とは、法律の規定により当然に発生する担保物権で、民法では留置権と先取特権が規定されています。
また、約定担保物権とは、当事者間の意思表示によって発生する担保物権で、民法では質権と抵当権が規定されています。それぞれの権利については、これから、何回かに分けて一つずつ詳しく解説します。
担保物件の効力には、次の3つがあります。
①優先弁済的効力
②留置的効力
③収益的効力
①の担保物件の優先的弁済効力とは、債務の弁済が得られないときに担保の目的物の持つ価値から他の債権者に対して優先して弁済を受けることができる効力のことです。
②の担保物件の留置的効力とは、債務が完済されるまで担保権者が目的物を留置することができる効力です。留置とは、物を一定の支配のもとにとどめておくことで、目的物を留置することによって、間接的に債務の弁済を促すことにその趣旨があります。
③の担保物件の収益的効力とは、担保権者が担保の目的物を収益し、これを債務の弁済に充当することができる効力のことです。
また、担保物件には、次の4つの性質があると言われています。
①附従性
②随伴性
③不可分性
④物上代位性
①の担保物件の附従性とは、債権がないところに担保物権は認められないという性質です。つまり、債権が発生しなければ担保物権も発生せず、債権が消滅すれば担保物権も消滅します。この理由は、担保物権が一般に特定の債権を担保にするために設定されるものだからです。
②の担保物権の随伴性とは、債権が移転すればそれにつれて担保物権も移転するという性質です。
③の担保物件の不可分性とは、被担保債権の全額の弁済を受けるまで、目的物の全部について権利を行使できるという性質です。
④の担保物件の物上代位性とは、担保物権は目的物の売却・賃貸・滅失・損傷などにより債務者が受ける金銭についても、優先的に弁済が受けられるという性質です。
上記の担保物権の効力と性質は、行政書士試験受験のためにどうしても覚えてほしい事柄です。下表は、これから学ぶ4つの担保物権を比較して効力と性質をまとめていますので、参考にしてください。

Ⅱ.留置権
留置権とは、例えば、車の修理を依頼された修理工場が、依頼主から修理代を支払ってもらうまで、車を工場に置いておく権利です。法的な言い方をすると、他人の物の占有者が、その物に関して生じた債権を有するときに、その弁済を受けるまでその物と留置できる権利のことです。この趣旨は、当事者間の公平を図るためです。
留置権は前述のとおり法定担保物権なので、法律で次の4つの要件が満たされた場合に発生します。
①目的物(留置権)と債権との牽連(けんれん)性
②債権が弁済期にあること
③他人の物を占有していること
④占有が不法行為で始まったものではないこと
①を簡単に言うと、他人の物の占有者が、その物に生じている債権を持っていることが必要ということで、牽連性は、「関連がある」と言い換えてほぼ同じ意味です。
過去の判例で、牽連性が認められるものは、
①借地人の建物買取請求権の行使によって発生した建物代金債権と土地
②不動産の買主が売買代金を未払いのまま目的物を第三者に譲渡した場合の売主の買主に対する代金支払請求権と目的物――などです。
一方、認められないものは、
①借家人の造作買取請求権の行使によって発生した造作代金債権と建物
②不動産の二重売買で一方の買主のため所有権移転登記がされた場合の他方の買主の売主に対する損害賠償請求権と不動産
③不動産の賃貸借が終了した場合の賃借人の賃貸人に対する敷金返還請求権と不動産――などです。

1)留置権の効力
留置権には当然ですが留置効力があります。他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を持っているときは、その債権の弁済を受けるまでその物を自分の下に留め置くことができるのです。判例によれば、その方法は、物の引渡しを求める裁判で、被告が留置権を主張した場合には、原告の請求を全面的に棄却することなく、その物に関して生じた債権の弁済と引換えに物の引渡しを命ずる引換給付判決をすべきとされています。
簡単に言うと、例えば修理のために預かった物の修理が終わっても、代金未払いで、物の返還を請求された場合は、代金と引換に物を返還すればいいですよ、ということです。
また、留置権者は、債権の全部の弁済を受けるまでは、留置権の全部についてその権利を行使できます。つまり、全部弁済を受けるまでは、物を引渡さなくてもいいということです。これは、留置権の不可分性から生じる効力です。
では、反対に、留置権者に留置中発生する権利義務はないのでしょうか?
留置権者の権利義務には、次の3つがあります。
①善管注意義務
②果実からの債権回収
③費用償還請求権
①の善管注意義務とは、留置権者は善良な管理者の注意を持って留置物を占有しなければならないという義務です。さらに、留置権者は、留置物の保存に必要があって使用する場合を除き、債務者の承諾なしに留置物を使用したり、ましてや賃貸したり担保提供したりできません。これに反した場合には、債務者は留置権の消滅を請求することができます。
②の果実からの債権回収とは、留置権者は、留置物から生ずる果実を取得し、他の債権者に先だって自己の債権の弁済に充てることができるということです。
③の費用償還請求権とは、留置者は、留置物について必要費を支出したときは所有者にその償還を請求できるということです。
また、留置物について有益費を支出したときは、それにより目的物の価格が増加した時には、所有者の選択に従いその支出した金額または増加額を償還させることもできます。ただし、この場合、所有者の請求により裁判所は、その償還について相当の期限を許与することができます。相当期限が許与されると、留置権の成立要件の一つ被担保債権が弁済期にあるという要件を欠くことになるので、留置権が成立しなくなります。

2)留置権の消滅
留置権が消滅するのは、
①代担保の提供
②留置物の占有の喪失――の場合です。
①の代担保の提供とは、債務者が相当の代わりの担保を提供して留置権の消滅を請求し、認められれば留置権は消滅します。これは、被担保債権額に比べて過大な価値の物が留置されている場合には実益があります。
例えば、修理に出した車の留置権を取消す場合に、修理代に見合った担保物権を預けて、車を引渡してもらうことがこれに当たります。
②の留置物の占有の喪失とは、修理に出された車を第三者に貸出せば、留置権は主張できません。ただし、債務者の承諾を得て、留置物を賃貸したり質権の目的とする場合は、留置権は消滅しないことになっています。
上記以外に債権の消滅時効の場合があります。民法では、留置権の行使は、債権の消滅時効の進行を妨げないことになっています。この場合も、被担保債権の債務者が原告である訴訟において、留置権が主張された場合には、債権の消滅時効の中断が認められることになっています。

(留置権の内容)
第二百九十五条  他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有するときは、その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる。ただし、その債権が弁済期にないときは、この限りでない。
2  前項の規定は、占有が不法行為によって始まった場合には、適用しない。
(留置権の不可分性)
第二百九十六条  留置権者は、債権の全部の弁済を受けるまでは、留置物の全部についてその権利を行使することができる。
(留置権者による果実の収取)
第二百九十七条  留置権者は、留置物から生ずる果実を収取し、他の債権者に先立って、これを自己の債権の弁済に充当することができる。
2  前項の果実は、まず債権の利息に充当し、なお残余があるときは元本に充当しなければならない。
(留置権者による留置物の保管等)
第二百九十八条  留置権者は、善良な管理者の注意をもって、留置物を占有しなければならない。
2  留置権者は、債務者の承諾を得なければ、留置物を使用し、賃貸し、又は担保に供することができない。ただし、その物の保存に必要な使用をすることは、この限りでない。
3  留置権者が前二項の規定に違反したときは、債務者は、留置権の消滅を請求することができる。
(留置権者による費用の償還請求)
第二百九十九条  留置権者は、留置物について必要費を支出したときは、所有者にその償還をさせることができる。
2  留置権者は、留置物について有益費を支出したときは、これによる価格の増加が現存する場合に限り、所有者の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償還させることができる。ただし、裁判所は、所有者の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。
(留置権の行使と債権の消滅時効)
第三百条  留置権の行使は、債権の消滅時効の進行を妨げない。
(担保の供与による留置権の消滅)
第三百一条  債務者は、相当の担保を供して、留置権の消滅を請求することができる。
(占有の喪失による留置権の消滅)
第三百二条  留置権は、留置権者が留置物の占有を失うことによって、消滅する。ただし、第二百九十八条第二項の規定により留置物を賃貸し、又は質権の目的としたときは、この限りでない。

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