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1-2-1 法令科目 民法 1条-2条/1044条 人

民法

さあ、今回からは一緒に民法を学んでいきましょう。とはいえ、1000条を超える条文をいきなり読んでいっても身につくものではありません。そこで、今回は民法の仕組みを大まかに頭の中に入れることを目標に、解説していきます。

過去問択一で選択肢を最後の2つから絞り切れないあなた!

重要条文を頭に叩きこもう!

 

Ⅰ.民法はサッカーのルールのようなもの

サッカーの試合を行う場合に必要なのが、競技場と選手、ボール……。実はそういったもののほかに大切なものとして、ルールがありますよね。ルールがなければ、ゲームが成立しないのですから!

サッカーのルールがプレーヤー相互の関係についてのルールなのに対して、民法は、日本で社会生活を行う上でのルールです。民法は難しいとよく言われますが、ルールと思って自分の分かりやすい言葉に置き換えていくとすんなり理解できることが多々あります。

例えば、今まで解説してきた憲法は国と私人間(競技運営者とプレーヤー)をしばる公法でしたが、民法は個人と個人(プレーヤーとプレーヤー)の関係を規律し、私法と呼ばれます。(括弧)の内容を見ると簡単そうに思えませんか?

 

Ⅱ.民法は紛争の解決のためのルール

私たちが普段生活する上では社会のルールをあまり意識しませんね。私たちがルールを意識するのは、何か紛争が起こった時です。何か紛争が起こった時に解決のためにルールが登場するわけです。

こうした紛争の解決のために、民法が示す基準はその人が持っている権利です。つまり、誰がどのような権利を持っていて、その権利の邪魔をする相手方にはどのような権利があるのかを比べて、紛争の解決をするのが民法の目的です。

そのため、民法は、①権利者の資格、②権利の内容、③権利の発生、消滅、移転、④権利の主張方法――についての規定がほとんどです。

 

Ⅲ.民法のプレーヤーは自然人と法人

再び民法をサッカーに例えると、サッカー場のピッチに立てるのは、プレーヤーです(審判を除くと)。ピッチに立つプレーヤーには、一定の出場資格が必要です。この出場資格を民法では、権利能力と呼んでいます。

民法ではこの権利能力はすべての人(自然人)と法人に平等に与えられるものとしています。すべての人が権利能力を有するのは、平等の理念から当然と言えますが、民法では、社会において果たす団体の役割の重要性も考慮して、一定の団体にもプレーヤーの資格を与えています。

 

Ⅳ.大きく分けると財産上のルールと身分上のルール

民法では、個人間のルールを①財産上のルールと②身分上のルール――に大きく分けています。財産上のルールは、財産的取引の関係や加害者の被害者に対する損害賠償の関係などを意味し、財産法と呼ばれています。一方、身分上のルールは、夫婦関係や親子関係などを中心とした、身分法と呼ばれています。

 

財産上の権利は、財産権と呼ばれ、土地の所有権などの物の支配を内容とする物権と、貸したお金を返してもらえるように他人に対して一定の行為を請求できる債権があり、どちらもそれ自体が財産的価値を有しています。ですから、財産権は他人に譲渡したり、担保に入れたりでき、また、相続の対象ともなるものなのです。

一方、身分上の権利は、それ自体は財産的価値を持たず、他人への譲渡はできないし担保とならない、また、相続の対象にもならない権利です。

 

Ⅴ.財産権には「物権」と「債権」がある

上記でも触れましたが、財産権には物権と債権があります。物権とは、物を直接に支配する権利で、言い換えると人が物に対して持つことができる権利と言えます。

物の使用・収益・処分といった物に対する全権能を直接支配できる所有権がその代表ですが、権能の一部の支配をできる物権は制限物権と呼ばれます。物の使用収益権能を支配する用益物権や物の交換価値を支配する担保物権などがこれに当たります。

一方、債権とは、債務者と呼ばれるある人に給付と言われるある内容を請求する権利のことです。多くは契約という行為によって発生します。債権は債務者の給付(債務)を目的とするので、給付の内容で物の引渡しを目的とする場合=与える債務と、目的としない場合=なす債務に分けます。そして、与える債務はさらに与える目的物が特定物かに分けます。

 

Ⅵ.身分法には親族法と相続法がある

身分法では、その内容の権利が移転を予定していないので、ルールは財産法に比べてゲーム性がないと言えます。身分法は、昔から発展してきた社会の慣習や、習俗を尊重してルール作りを行っています。

身分法は親族法と相続法に分かれますが、親族法における身分上の権利は、変動要因よりも権利の前提となる一定の親族関係の発生、消滅についての規定がほとんどです。

一方、相続は、死亡による権利義務関係の移転です。民法は相続法において、一定範囲の親族に相続人の資格を与えています。(明治二十九年四月二十七日法律第八十九号)

 

前回に民法は、社会生活をする上でのルールとお話ししましたが、今回は、行政書士試験に臨むためには、どう学んでいったらいいかを少しお話したいと思います。
まず、民法の原則と体系をつかんでから、それぞれについて解説していきます。行政書士試験で直接問われる内容ではありませんので、細かいところは気にせず、ここでは民法の全体像をつかむようにしてください。

Ⅰ.私的自治の原則
私たちは、いつも自分の自由な意思で行動しています。それは、民法というルールで定められた社会生活上の法律行為を行う場合も同じで、自分の自由な意思で物を売ったり買ったりできます。サッカーのピッチに立ったら、その後は自分で判断してパスやドリブルをしたり、シュートするのと似ていますね。
例えば、自分で所有しているカメラを他人に売る場合には、誰に売るとか、いくらで売るとか、いつ売るとか、売買契約書をきちんと交わすかとか……そういった内容は、すべて自分で決めればいいわけです。
このような考え方を私的自治の原則といいますが、民法という法律の大前提です。

Ⅱ.民法の体系
契約は自由だと言いましたが、実際に契約しようとすると、最低限のルールやお互いの意見が合わなかったときはどうするかとか、決めておかなければ成り立たないことはご承知のとおりです。サッカーで、どういう時に点になるとか、どういう行為は反則とか……決めるのと同じです。
1000以上の条文を持つ民法ですが、実は、きちんとした体系を作って成り立っています。

民法では、まず、第1条から174条までの総則で最低限のルールを規定しています。行政書士試験としてのこのテーマでの学習の中心は、①制限行為能力、②意思表示、③代理、④時効――になります。
次に、第175条から398条までに財産法の中の物権について規定しています。物権での学習のテーマの中心は、①不動産物権変動、②占有権、③担保物権――です。
もう1つの財産法は債権で、第399条から724条に渡って規定しています。債権の学習の中心テーマは、①債務不履行、②債権の保全、③債権の消滅、④多数当事者の債権債務関係、⑤契約、⑥不法行為――です。
そして、家族法は1つが親族法で、第725条から881条に規定されています。学習テーマの中心は、①婚姻、②離婚――です。
最後に家族法のもう1つは相続法で、学習テーマの中心は、①相続、②遺言――です。第882条から1044条に規定されています。

Ⅲ.総則
民法総則は、これから出てくる各編の共通ルールを(通則と言います)定めたものです。でも、多くは財産関連の規定で、現行では多くの特別法が規定されていて特別法が優先されると決まっていることから、あまり適用されない規定も存在します。

1)通則
民法の基本原則と解釈基準を定めています。
2)人
権利の主体である人について定めています。主体とは、私権を享有する者という意味です。
3)法人
人とともに権利の主体となる法人について定めています。「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」や「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」の制定(平成20年12月1日施行)に伴って、民法34条などの公益法人に関する規程が削除されました。
4)物
権利の客体(対象となるもの)について定めています。物についての定義に始まり、動産、不動産といった分類がなされ、それぞれの定義も規定されています。
5)法律行為
法律行為とは、権利の得喪変更を生じる合法的な行為のことで最も重要なものです。総則編以外でも、権利の得喪を生じる規定は多くあるので、ここでは、すべてに通じる通則を定めています。
6)期間の計算
期間とはある時点からある時点までの継続した時の長さのことで、権利の得喪に重要な作用をします。
7)時効
時効は時の経過が権利の得喪をもたらす制度で、「取得時効」「消滅時効」について定めています。

Ⅳ.物権
物権編では、物権の対象、種類、効力、変動から各種の物権の内容と効力、そして、これらの権利の設定・移転について定めています。つまり、人が財産である物に対して、どのような権利を持つかを定めているのが物権編と思ってください。

1)総則
すべての物権に共通する決まりで、物権の種類、設定、移転などについての規定があります。
2)占有権
占有とは、一定の物を所有している状態のことを言い、この状態をそのまま権利として認めたものが占有権で、占有権の取得や消滅について学びます。
3)所有権
所有権は物を完全に支配し、利用することができる権利です。他の権利は、物を一定の期間、一定の方法で支配する権利ですが、所有権は全面的で完全に支配する権利です。
4)地上権
地上権は、設定行為を行うことで、他人の土地に建物を建てたりしてその土地を使うことができる権利です。一見すごく似たものに賃借権がありますが、賃借権は債権ですので、注意が必要です。
5)永小作権
永小作権も地上権と同じように設定行為で、他人の土地を使う権利ですが、その目的が土地の耕作、牧畜のためと決まっています。
6)地役権
地役権も設定行為により、自分の利益のために他人の土地を使用する権利です。自分の土地に行くために他人の土地を通ったり、他人の土地から水を引く場合などがあります。
7)担保物権
社会生活の上で、賃金や代金の回収のためなどに、一定の物を担保とすることが日常的に行われています。これには、①留置権、②先取特権、③質権、④抵当権――の4つがあります。
また、このほかに利用されているものに、⑤譲渡担保、⑥代物弁済予約――があります。

Ⅴ.債権
債権編は、債権総論と呼ばれる総則で、主に債権の効力について、債権各論と呼ばれる総則以下で、債権の発生、変更、消滅などについて定めています。

1)総則
債権一般に通じる原則について規定しています。内容は、①債権の目的、②債権の効力、③多数当事者間の債権関係、④債権の譲渡、⑤債権の消滅――の5項目です。
2)契約
物の売買を考えた時、当事者間の契約で権利義務関係が発生することが分かると思います。こうしたことから、債権の発生を目的とする債権契約についての契約の成立や効力、13種類の契約についての詳細な規定がなされています。
3)不当利得
契約によらないで、債権が発生することもあります。不当利得もその一つで、正当な理由がないのに一方が得をし、もう一方が損をする場合のことです。これは不公平なので、返す義務(不当利得返還義務)があると定められ、債権の一つ返還請求権が発生します。
4)不法行為
不法行為も契約によらない債権の発生の一つです。不法行為とは、故意又は過失により他人の権利または利益を侵害して損害を与える違法な行為のことです。加害者は損害賠償責任を負うことになります。債権関係で言えば、被害者の加害者に対する損害賠償請求権という債権が発生します。

Ⅵ.親族
親族の範囲から婚姻・親子・親権・後見・扶養といった身内のことに対して規定されています。

1)総則
総則では、親族の範囲、親族の関係の発生、親族関係の終了などについての定めがあります。親族は6親等内の血族、配偶者及び3親等以内の姻族を指します。
2)婚姻
婚姻は男女の合意によってのみ成立します。ただし、婚姻適齢など婚姻成立の要件があります。また、婚姻の成立で発生する効力や夫婦の財産はどうなるのか、離婚した場合などについて定めがあります。
3)親子
親子には実子と養子があり、さらに実子には嫡出子と非嫡出子があり、嫡出子否認や認知などの問題があります。また、養子にも普通養子と特別養子があることや、離縁についての規定もされています。
4)親権
親権は親が未成年者の子に対して持つ、子の保護を目的とする権利義務です。これには、監護教育権、財産管理権があります。
5)後見
後見には、親権を行う父母がいない場合の未成年者後見と精神上の障害により判断能力に問題がある場合の成年後見、保佐、補助の制度があります。
6)扶養
扶養は、一定の親族に、困窮者に対する金銭的給付などを義務付けた制度です。夫婦親子間では生活保持義務、兄弟姉妹間では、生活扶助義務があります。

Ⅶ.相続
相続編では、相続の開始から相続人、相続の効力、相続の承認や放棄などの相続に関する規定と遺言について定めています。

1)総則
相続はいつ、どこで始まるのか、相続人の権利が侵されたときにどうすればいいのか。遺産の管理に必要な費用はどこから支出されるのか、などについて定めています。
2)相続人
死亡した人(被相続人)に配偶者と子がいる場合は、その子が配偶者とともに第一順位の相続人となります。そして、子がいない場合は……、と第三順位まで決められています。こうした相続権の規定のほか、相続権を失うのはどんな場合かなどについても定めています。
3)相続の効力
相続の一般的効力、共同相続、相続分、寄与分、遺産分割の仕方などについて定めています。
4)相続の承認・放棄
相続は権利であって義務ではありません。そこで、相続を承認すること、又は放棄をすることができます。ただし、相続財産の一部を使ってしまった場合などは相続を承認したと見なされます。
5)財産の分離
相続人が財産相続を単純相続すれば、遺産と相続人の財産とが一緒になってしまうのが普通ですから、相続人あるいは被相続人の債権者は思わぬ損害を被る場合があります。こうした場合に債権者の請求で遺産と相続人の財産とを区分けする(分離)ことを財産の分離と言い、民法で規定されています。
6)その他
相続編では、相続人の不存在の場合の財産の帰属、遺言の仕方及び効力、さらには相続人にこれだけは残さなければならない遺産である遺留分についての定めを行っています。

Ⅷ.学習上の注意点
行政書士試験の中で民法は、単純タイプの出題ではなく、事例タイプで出題されることが多いです。そのため、知識として覚えることももちろん大事ですが、事例ごとに自分で考えて事例処理ができるようになることが大切です。
そのためには、事例に登場する人物のどちらを保護することが妥当なのかを考えながら読んでいきましょう。そして、解説と比べて、自分が用いた知識(条文)が適当だったのか、解説はどの知識を用いて解いたのか、自分にどのような知識が足りなかったのか――などを意識して、学んでいってください。

前回の解説で民法の全体像は、およそつかめましたか? まだ、不安に思ってらっしゃる方も安心してください。これから、一つひとつを一緒に確認していきましょうね。
今回から、民法の総則を勉強していくわけですが、総則の中には、概念的な内容のものもあって、理解しにくいこともあるかと思います。でも、それで、大丈夫です。物権や債権について規定した各論に入って、総則で言っていたことがより具体的に理解できるようになり、「そうだったのか!!」と、目の前がパアーッと明るくなる瞬間がありますので、焦らずにその項でどうしても覚えなくてはならないことだけを、しっかり身に付けていきましょう。この解説では、フォントを変えて注意を促しますので、参考にしてください。
さて、今回は、まず民法の基本原則を復習し民法の精神を理解した後、人が等しく持っている権利について解説していきます。サッカーに例えると、サッカー選手に必要な心構えや基本的精神と、サッカー選手がピッチ内でできることに当たります。

Ⅰ.民法の精神を理解しよう

何度も言っていますが、民法は個人と個人との関係を規律するルールです。このような、個人と個人の関係を問題としている法律を私法と言います。憲法や刑法のような個人と国家との関係を問題としている公法に対する言葉です。
民法は個人間のルールを決めるに当たって、個人の権利と義務を中心に考えていますが、民法上の権利を私権と呼びます。
民法は第1条で、まず、私権についての基本原則を定めています。その原則とは、人は大勢の人の中で生活しているわけですから、個人の権利も社会的観点から制約を受けることを表明しているのです。
でも、条文の内容はかなり抽象的で、裁判などでこの条項を適用する場合には、裁判官などの裁量で具体化することが必要です。このような規定が抽象的で裁判官などの解釈による補充や具体化が必要な条項は一般条項と呼ばれています。

それでは、個人の権利が制約を受ける場合を見ていきましょう。
1)公共の福祉
1条1項には、「私権は公共の福祉に適合しなければならない」と規定されています。個人の権利はあくまで市民社会の中での権利である以上、社会的側面からの制限があり得るということです。ただし、この規定が直接適用されたり、他の規定の解釈に援用されることはあまりありません。
2)信義則
1条2項は、「権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない」という信義誠実の原則(信義則)を定めています。この原則は、①契約の履行、②契約の解除、③契約自体の解釈――の局面で用いられています。
3)権利の濫用
1条3項は、「権利の濫用は、これを許さない」という規定です。一見権利の行使らしく見えても、実際には権利の範囲を逸脱している場合は、権利の濫用としてその権利が制約されます。
例えば、購入した土地に家を建てようとしたら、たまたま下水道管が地中を通っていたので撤去を求めたことが、権利濫用として許されなかったりすることです。

Ⅱ.人は生きている間は私権を享有できる

権利という言葉は、民法で自分の主張が正当であることを示すのに用いられる言葉です。そこで、自分の利益を主張するには、自分は権利者(権利の主体と言います)だと主張することとイコールになります。このような権利の主体となれる一般的な地位や資格を権利能力と言っています。
権利能力を持たなければ権利者とはなれないのですが、権利能力を持つことは義務を負うということでもあります。権利能力があるから、物を買えるのですが、当然、代金の支払いの義務も負います。
この権利能力は、自然人すべてに平等に認められていますが、法律によって権利能力を付与された団体、つまり法人にも一定の範囲内で権利能力が認められています。

1)権利能力の始期と終期
すべての人間は生まれたとたんに権利能力を取得し、死んだとたんに権利能力を失います。これを読むと、お母さんのおなかの中にいる胎児には権利能力がないということになりますね。でも、民法では、例外として胎児についても、①損害賠償請求、②相続、③遺贈――の3つの場面で、胎児の権利能力を認めています。
①~③の各々の権利については、後ほどの各論で説明しますので、ここでは省略します。でも、どうして、3つの場合に認めたのかについて、判例の解釈では、出生することによって胎児の時まで遡って権利能力があったことになる停止条件説を採用しています。また、解除条件説と言って、胎児の時にすでに3つの法律行為に関しては権利能力があったと考え、死産であった場合には、それらの法律関係も遡って権利能力がなかったものとの解釈も存在します。
一方、法人は設立によって権利能力を取得し、解散とそれに続く清算という一連の手続きで法人が消滅することによって権利能力を失います。

2)失踪宣告
人間の権利能力の終期は死亡といいましたが、本来生活の基盤であるはずの本拠を留守にする期間があまりに長かったり、その人の死亡の可能性が高い場合は、その人の権利能力をいつまでも認めていると、家族や関係者には困ることがいろいろ出てきます。そこで、登場するのが、裁判所が死亡と同様に扱うことを宣言する失踪宣告制度です。
失踪宣告には、2つの種類があり、一つは①不在者の生死が7年間不明の場合に宣告される普通失踪、もう一つは②飛行機や船舶の事故などの危難に遭った人が、その危難のあと1年間生死不明の場合に宣告される特別失踪――です。
失踪宣告は、利害関係人が家庭裁判所に請求します。執行宣告がなされると、宣告を受けた者は死亡したと見なされ(死亡の擬制と言います)、相続が開始され、婚姻も解消されます。ただし、失踪宣告は宣告された人の権利能力まで奪うものではなく、もし、生きていていたなら他の場所で生活することや権力の行使を行うことは可能です。
失踪宣告を受けた人が生きていたり、失踪宣告の時死亡したと思われた時期と違う時期に死亡したことが明らかになった場合には、失踪宣告の取消の制度も整っています。
失踪宣告が取消されると、死亡の効果は初めからなかったことになり、従来の法律関係が発生します。でも、すでに相続で得た財産を使っていたり、再婚していた場合はどうなるのでしょう?
まず、相続などで得た財産の返還は、全部でなくてよく、現に残っている利益の返還のみでOKです。また、再婚をした場合は、後婚を有効とする説が有力です。

 

最終改正:平成二八年六月七日法律第七一号

 

 

 

此法律施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム

明治二十三年法律第二十八号民法財産編財産取得編債権担保編証拠編ハ此法律発布ノ日ヨリ廃止ス

(別冊)

民法第一編第二編第三編別冊ノ通定ム

 

第一編 総則
第一章 通則(第一条・第二条)
第二章 人
第一節 権利能力(第三条)
第二節 行為能力(第四条―第二十一条)
第三節 住所(第二十二条―第二十四条)
第四節 不在者の財産の管理及び失踪の宣告(第二十五条―第三十二条)
第五節 同時死亡の推定(第三十二条の二)
第三章 法人(第三十三条―第八十四条)
第四章 物(第八十五条―第八十九条)
第五章 法律行為
第一節 総則(第九十条―第九十二条)
第二節 意思表示(第九十三条―第九十八条の二)
第三節 代理(第九十九条―第百十八条)
第四節 無効及び取消し(第百十九条―第百二十六条)
第五節 条件及び期限(第百二十七条―第百三十七条)
第六章 期間の計算(第百三十八条―第百四十三条)
第七章 時効
第一節 総則(第百四十四条―第百六十一条)
第二節 取得時効(第百六十二条―第百六十五条)
第三節 消滅時効(第百六十六条―第百七十四条の二)
第二編 物権
第一章 総則(第百七十五条―第百七十九条)
第二章 占有権
第一節 占有権の取得(第百八十条―第百八十七条)
第二節 占有権の効力(第百八十八条―第二百二条)
第三節 占有権の消滅(第二百三条・第二百四条)
第四節 準占有(第二百五条)
第三章 所有権
第一節 所有権の限界
第一款 所有権の内容及び範囲(第二百六条―第二百八条)
第二款 相隣関係(第二百九条―第二百三十八条)
第二節 所有権の取得(第二百三十九条―第二百四十八条)
第三節 共有(第二百四十九条―第二百六十四条)
第四章 地上権(第二百六十五条―第二百六十九条の二)
第五章 永小作権(第二百七十条―第二百七十九条)
第六章 地役権(第二百八十条―第二百九十四条)
第七章 留置権(第二百九十五条―第三百二条)
第八章 先取特権
第一節 総則(第三百三条―第三百五条)
第二節 先取特権の種類
第一款 一般の先取特権(第三百六条―第三百十条)
第二款 動産の先取特権(第三百十一条―第三百二十四条)
第三款 不動産の先取特権(第三百二十五条―第三百二十八条)
第三節 先取特権の順位(第三百二十九条―第三百三十二条)
第四節 先取特権の効力(第三百三十三条―第三百四十一条)
第九章 質権
第一節 総則(第三百四十二条―第三百五十一条)
第二節 動産質(第三百五十二条―第三百五十五条)
第三節 不動産質(第三百五十六条―第三百六十一条)
第四節 権利質(第三百六十二条―第三百六十八条)
第十章 抵当権
第一節 総則(第三百六十九条―第三百七十二条)
第二節 抵当権の効力(第三百七十三条―第三百九十五条)
第三節 抵当権の消滅(第三百九十六条―第三百九十八条)
第四節 根抵当(第三百九十八条の二―第三百九十八条の二十二)
第三編 債権
第一章 総則
第一節 債権の目的(第三百九十九条―第四百十一条)
第二節 債権の効力
第一款 債務不履行の責任等(第四百十二条―第四百二十二条)
第二款 債権者代位権及び詐害行為取消権(第四百二十三条―第四百二十六条)
第三節 多数当事者の債権及び債務
第一款 総則(第四百二十七条)
第二款 不可分債権及び不可分債務(第四百二十八条―第四百三十一条)
第三款 連帯債務(第四百三十二条―第四百四十五条)
第四款 保証債務
第一目 総則(第四百四十六条―第四百六十五条)
第二目 貸金等根保証契約(第四百六十五条の二―第四百六十五条の五)
第四節 債権の譲渡(第四百六十六条―第四百七十三条)
第五節 債権の消滅
第一款 弁済
第一目 総則(第四百七十四条―第四百九十三条)
第二目 弁済の目的物の供託(第四百九十四条―第四百九十八条)
第三目 弁済による代位(第四百九十九条―第五百四条)
第二款 相殺(第五百五条―第五百十二条)
第三款 更改(第五百十三条―第五百十八条)
第四款 免除(第五百十九条)
第五款 混同(第五百二十条)
第二章 契約
第一節 総則
第一款 契約の成立(第五百二十一条―第五百三十二条)
第二款 契約の効力(第五百三十三条―第五百三十九条)
第三款 契約の解除(第五百四十条―第五百四十八条)
第二節 贈与(第五百四十九条―第五百五十四条)
第三節 売買
第一款 総則(第五百五十五条―第五百五十九条)
第二款 売買の効力(第五百六十条―第五百七十八条)
第三款 買戻し(第五百七十九条―第五百八十五条)
第四節 交換(第五百八十六条)
第五節 消費貸借(第五百八十七条―第五百九十二条)
第六節 使用貸借(第五百九十三条―第六百条)
第七節 賃貸借
第一款 総則(第六百一条―第六百四条)
第二款 賃貸借の効力(第六百五条―第六百十六条)
第三款 賃貸借の終了(第六百十七条―第六百二十二条)
第八節 雇用(第六百二十三条―第六百三十一条)
第九節 請負(第六百三十二条―第六百四十二条)
第十節 委任(第六百四十三条―第六百五十六条)
第十一節 寄託(第六百五十七条―第六百六十六条)
第十二節 組合(第六百六十七条―第六百八十八条)
第十三節 終身定期金(第六百八十九条―第六百九十四条)
第十四節 和解(第六百九十五条・第六百九十六条)
第三章 事務管理(第六百九十七条―第七百二条)
第四章 不当利得(第七百三条―第七百八条)
第五章 不法行為(第七百九条―第七百二十四条)
第四編 親族
第一章 総則(第七百二十五条―第七百三十条)
第二章 婚姻
第一節 婚姻の成立
第一款 婚姻の要件(第七百三十一条―第七百四十一条)
第二款 婚姻の無効及び取消し(第七百四十二条―第七百四十九条)
第二節 婚姻の効力(第七百五十条―第七百五十四条)
第三節 夫婦財産制
第一款 総則(第七百五十五条―第七百五十九条)
第二款 法定財産制(第七百六十条―第七百六十二条)
第四節 離婚
第一款 協議上の離婚(第七百六十三条―第七百六十九条)
第二款 裁判上の離婚(第七百七十条・第七百七十一条)
第三章 親子
第一節 実子(第七百七十二条―第七百九十一条)
第二節 養子
第一款 縁組の要件(第七百九十二条―第八百一条)
第二款 縁組の無効及び取消し(第八百二条―第八百八条)
第三款 縁組の効力(第八百九条・第八百十条)
第四款 離縁(第八百十一条―第八百十七条)
第五款 特別養子(第八百十七条の二―第八百十七条の十一)
第四章 親権
第一節 総則(第八百十八条・第八百十九条)
第二節 親権の効力(第八百二十条―第八百三十三条)
第三節 親権の喪失(第八百三十四条―第八百三十七条)
第五章 後見
第一節 後見の開始(第八百三十八条)
第二節 後見の機関
第一款 後見人(第八百三十九条―第八百四十七条)
第二款 後見監督人(第八百四十八条―第八百五十二条)
第三節 後見の事務(第八百五十三条―第八百六十九条)
第四節 後見の終了(第八百七十条―第八百七十五条)
第六章 保佐及び補助
第一節 保佐(第八百七十六条―第八百七十六条の五)
第二節 補助(第八百七十六条の六―第八百七十六条の十)
第七章 扶養(第八百七十七条―第八百八十一条)
第五編 相続
第一章 総則(第八百八十二条―第八百八十五条)
第二章 相続人(第八百八十六条―第八百九十五条)
第三章 相続の効力
第一節 総則(第八百九十六条―第八百九十九条)
第二節 相続分(第九百条―第九百五条)
第三節 遺産の分割(第九百六条―第九百十四条)
第四章 相続の承認及び放棄
第一節 総則(第九百十五条―第九百十九条)
第二節 相続の承認
第一款 単純承認(第九百二十条・第九百二十一条)
第二款 限定承認(第九百二十二条―第九百三十七条)
第三節 相続の放棄(第九百三十八条―第九百四十条)
第五章 財産分離(第九百四十一条―第九百五十条)
第六章 相続人の不存在(第九百五十一条―第九百五十九条)
第七章 遺言
第一節 総則(第九百六十条―第九百六十六条)
第二節 遺言の方式
第一款 普通の方式(第九百六十七条―第九百七十五条)
第二款 特別の方式(第九百七十六条―第九百八十四条)
第三節 遺言の効力(第九百八十五条―第千三条)
第四節 遺言の執行(第千四条―第千二十一条)
第五節 遺言の撤回及び取消し(第千二十二条―第千二十七条)
第八章 遺留分(第千二十八条―第千四十四条)

 

 

 

 

 

 

 

第一編 総則

 

第一章 通則

 

(基本原則)

 

第一条  私権は、公共の福祉に適合しなければならない。

 

2  権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。

 

3  権利の濫用は、これを許さない。

 

(解釈の基準)

 

第二条  この法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等を旨として、解釈しなければならない。

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