☆新入生☆ よろしく @運免 (8分前)
1
次の説明は、会社の法人性に関する記述である。
会社は,合名会社の社員や合資会社の無限責任社員になることができない。 公認会計士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
合同会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。
2号 無限責任社員を加入させる定款の変更 合資会社
(会社法 638条3項2号)
合名会社:無限責任社員で構成
合資会社:無限責任社員と有限責任社員で構成
無限ーと有限ーの違いは責任の限度の差異。かな。
【参考】
合名会社は無限責任社員のみからなる会社であり、合資会社は無限責任社員と有限責任社員からなる会社です。これまで、合名会社の社員は2名以上必要とされており、また、法人が他の法人の無限責任社員となることが禁じられていました。
新会社法では、社員1名のみの合名会社の設立・存続が認められ、法人が合名・合資会社の無限責任社員となることも認められるので、合名・合資会社の設立・存続が容易になります。
〔出典〕
よく分かる中小企業のための新会社法 33問33答
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/kaisya/kaisyahou33/kaisyahou43.htm
株式会社など有限責任社員しかいない会社でも無限責任社員になれるのは、一見奇妙に感じられますが
例えばある合名会社の社員2人が各々1億円の資産を持っているとします。もし会社に3億円の負債が生じたら、2人は無一文になり、残る1億円は実質的に弁済不能になります(一人頭5千万円も工面するのは普通無理ですから)。
このように自然人でも法人でも支払い能力に限界があるのは同じです。無論細かな問題は色々とあるのでしょうが、tshimizuさんが書かれたメリットの方が大事なので法改正されたようです。
関連問題
次の説明は、()内に「合名会社」又は「合資会社」のいずれかの語の一方は入るが,他方は入らないものに関する記述である。なお,合名会社及び合資会社の定款には,商法の規定と異なる定めは,設けられていないものとする。
()は,合名会社の社員になることはできないが,合資会社の有限責任社員になることはできる。
2
次の説明は、種類株式に関する記述である。
種類株式発行会社が公開会社である場合において,議決権制限株式の数が発行済株式総数の2分の1を超えるに至ったときには,直ちに議決権制限株式の数を発行済株式総数の2分の1以下にするための必要な措置をとらなければならない。 公認会計士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
種類株式発行会社が公開会社である場合において、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限のある種類の株式(以下この条において「議決権制限株式」という。)の数が発行済株式の総数の二分の一を超えるに至ったときは、株式会社は、直ちに、議決権制限株式の数を発行済株式の総数の二分の一以下にするための必要な措置をとらなければならない。
(会社法 115条)
議決権制限株式の発行数:会社法第115条
種類株式発行会社が公開会社である場合において、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限のある種類の株式(以下この条において「議決権制限株式」という。)の数が発行済株式の総数の二分の一を超えるに至ったときは、株式会社は、直ちに、議決権制限株式の数を発行済株式の総数の二分の一以下にするための必要な措置をとらなければならない。
公開会社においては、少数の議決権のある株主により会社が支配されるのを防ぐ必要があるため、設問のような規定があります。
議決権制限株式の数が発行済株式総数の2分の1を超えた場合には、直ちに2分の1以下にするための必要な措置をとらなければなりません。
この「必要な措置」には、議決権制限株式を取得して消却する、などが含まれます。
3
次の説明は、株式会社及び合同会社のいずれにも当てはまる会社の設立に関する記述である。なお,「設立手続の遂行者」とは,株式会社にあっては「発起人」を,合同会社にあっては「社員になろうとする者」をそれぞれ指すものとし,また,定款は書面により作成されるものとする。
出資に係る金銭の払込みは,設立手続の遂行者が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
株式会社は、第二百三十八条第一項の募集に応じて募集新株予約権の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
3号 新株予約権の行使に際して金銭の払込みをすべきときは、払込みの取扱いの場所
(会社法 242条1項3号)
株式会社については、会社法第34条第2項・第63条第1項を参照。
第34条第2項 前項の規定による払込みは、発起人が定めた銀行等(銀行(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行をいう。第七百三条第一号において同じ。)、信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項に規定する信託会社をいう。以下同じ。)その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。
第63条 設立時募集株式の引受人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間内に、発起人が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの設立時募集株式の払込金額の全額の払込みを行わなければならない。
一方、合同会社については、このような規定は定められていない(同法第578条)
第578条 設立しようとする持分会社が合同会社である場合には、当該合同会社の社員になろうとする者は、定款の作成後、合同会社の設立の登記をする時までに、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。ただし、合同会社の社員になろうとする者全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、合同会社の成立後にすることを妨げない。
関連問題
次の説明は、発起設立には当てはまるが,募集設立には当てはまらない株式会社の設立に関する記述である。(定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとする)
設立時発行株式についての出資に係る金銭の払込みは,発起人が定めた銀行その他の払込みの取扱いの場所においてする必要はない。
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次の説明は、株式と新株予約権との異同に関する記述である。
取締役会設置会社以外の株式会社においては,募集株式が譲渡制限株式である場合に申込者の中からその割当てを受ける者を決定することも,募集新株予約権の目的である株式が譲渡制限株式である場合に申込者の中からその割当てを受ける者を決定することも,定款に別段の定めがある場合を除き,株主総会の決議によらなければならない。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
前項の場合には、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)は、その有する株式の数に応じて募集新株予約権の割当てを受ける権利を有する。ただし、当該株主が割当てを受ける募集新株予約権の数に一に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。
(会社法 241条2項)
会社法はどうしても難解に感じてしまうのですが、Valleyさんの考え方だと、単純明快に感じますね。
(募集新株予約権の割当て)
第243条 株式会社は、申込者の中から募集新株予約権の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集新株予約権の数を定めなければならない。(以下省略)
2 次に掲げる場合には、前項の規定による決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。(以下省略)
一 募集新株予約権の目的である株式の全部又は一部が譲渡制限株式である場合
取締役会設置会社以外の株式会社では、募集株式が譲渡制限株式である場合に申込者の中からその割当てを受ける者を決定すること(会社法204.2)も、募集新株予約権の目的である株式の全部又は一部が譲渡制限株式である場合に申込者の中からその割当てを受ける者を決定すること(会社法243.2.1)も、定款に別段の定めがある場合を除き、株主総会の特別決議によらなければならない。
関連問題
募集株式の発行について、適切か否か答えよ。
会社法上の公開会社でない取締役会設置会社が募集株式を発行する場合には,株主に株式の割当てを受ける権利を与えるときであって,かつ,定款に決定機関を取締役会とする定めがあるときを除き,株主総会の特別決議を要する。
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会社関係訴訟について、適切か否か答えよ。
取締役の職務遂行に関し,不正の行為があるにもかかわらず株主総会において取締役解任の議案が否決された場合には,その株主総会の手続に瑕疵があるか否かにかかわらず,一定の要件を満たす株主は,取締役解任の訴えを提起することができる。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、株式会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が株式会社に対して訴えを提起する場合には、株主総会は、当該訴えについて株式会社を代表する者を定めることができる。
(会社法 353条)
会社法845条
845条ではなく、854条の誤りではないでしょうか。
854条では、多数派株主による不当を、訴えによって是正することができる少数株主権に関する規定です。
===
(株式会社の役員の解任の訴え)
第854条 役員(第三百二十九条第一項に規定する役員をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたとき又は当該役員を解任する旨の株主総会の決議が第三百二十三条の規定によりその効力を生じないときは、次に掲げる株主は、当該株主総会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員の解任を請求することができる。
一 総株主(次に掲げる株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。)
イ 当該役員を解任する旨の議案について議決権を行使することができない株主
ロ 当該請求に係る役員である株主
二 発行済株式(次に掲げる株主の有する株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。)
イ 当該株式会社である株主
ロ 当該請求に係る役員である株主
2 公開会社でない株式会社における前項各号の規定の適用については、これらの規定中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。
3 第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」とする。
4 第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」とする。
[自説の根拠]会社法第854条
取締役解任の要件
〇取締役が職務執行に関して不正行為や法令・定款に違反する重大な事実があったこと
〇株主総会で取締役解任決議が否決されたこと
〇原告が総株主の議決権の100分の3以上の議決権又は発行済み株式の100分の3以上の数の株式を保有していること
なので、手続きの瑕疵は問わないのでは…
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株式会社の設立について、適切か否か答えよ。
設立しようとする株式会社が委員会等設置会社であるときは,発起人は,取締役と執行役を選任しなければならない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。
2号 設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合
(会社法 68条2項2号)
設立しようとする株式会社が委員会設置会社であるときは、発起人は、設立時取締役を選任しなければならない。設立時取締役は、執行役を選任しなければならない。
(設立時役員等の選任)
第三十八条 発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、設立時取締役を選任しなければならない。
(設立時委員の選定等)
第四十八条 設立しようとする株式会社が委員会設置会社である場合には、設立時取締役は、次に掲げる措置をとらなければならない。
一 設立時取締役の中から次に掲げる者(次項において「設立時委員」という。)を選定すること。
イ 株式会社の設立に際して指名委員会の委員となる者
ロ 株式会社の設立に際して監査委員会の委員となる者
ハ 株式会社の設立に際して報酬委員会の委員となる者
二 株式会社の設立に際して執行役となる者(以下「設立時執行役」という。)を選任すること。
三 設立時執行役の中から株式会社の設立に際して代表執行役となる者(以下「設立時代表執行役」という。)を選定すること。ただし、設立時執行役が一人であるときは、その者が設立時代表執行役に選定されたものとする。
2 設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時委員若しくは設立時代表執行役を解職し、又は設立時執行役を解任することができる。
3 前二項の規定による措置は、設立時取締役の過半数をもって決定する。
取締役と執行役という表現が× 発起人が選任するのは取締役だけ
発起設立と募集設立では選任する者が異なります。
【発起設立】
設立時取締役…発起人が選任(38条)
設立時執行役…設立時取締役が選任(48条)
【募集設立】
設立時取締役…創立総会で選任(88条)
設立時執行役…設立時取締役が選任(48条)
ただし、どちらも「設立時」役員です。
会社成立時(49条)に取締役や執行役になりますが、選任時には「設立時取締役」と「設立時執行役」であり、業務内容も会社成立後とは異なるため、厳密に言えばその意味でも×かもしれません。
[自説の根拠]会社法38条、48条、49条、88条
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次の記述について、株式会社は定款所定の目的の範囲内でのみ権利能力を有するという考え方に対する批判として,ふさわしいか否か答えよ。
株式会社の目的は登記されるが,取引相手方が取引のたびに会社の目的を確認することを期待することはできない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
第九百六十条第一項第三号から第七号までに掲げる者が、次のいずれかに該当する場合にも、第一項と同様とする。
3号 株式会社の目的の範囲外において、投機取引のために株式会社の財産を処分したとき。
(会社法 963条5項3号)
会社は定款の目的の範囲内で権利能力を有するが、目的を遂行するために直接または間接に必要な行為も目的の範囲内である。
だから、取引の相手が取引のたびに、その取引が目的の範囲内であるかを求めるのはナンセンスなことである。
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一定の法定期間内本店に備え置かれなければならない次の書面について,当該書面をもって作成されている場合において,法定の備置期間内における営業時間内に,裁判所の許可を得ることなく,株主及び会社債権者が当該書面又はその写しの閲覧請求権を行使することができるものとして、適切か否か答えよ。
計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。
(会社法 435条3項)
会社法 第442条
1項1号
一 各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第四百三十六条第一項又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。) 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間
~~~
3項
株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。
一 計算書類等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求
二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三 計算書類等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
会社法433条にての
「会計帳簿は議決権もしくは百分の三以上の株式を持つ者は閲覧できる」
とする決まりとごっちゃになりやすいので注意が必要ですね・・・
思うに会計帳簿は機密書類なのに対して計算書や事業報告は「報告」を前提として作成されているから一般株主や債権者でも閲覧しその上で自己責任を負え、という趣旨なのでしょう。
9
株式会社の計算について、適切か否か答えよ。
株式会社は,その純資産額が300万円を下回る場合には,株主に対し,剰余金の配当をすることができない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
第四百五十三条から前条までの規定は、株式会社の純資産額が三百万円を下回る場合には、適用しない。
(会社法 458条)
・剰余金の配当は、その行為が効力を生ずる日における分配可能額を超えることができない(461条1項8号)
・分配可能額を超えない場合でも、会社の純資産額が300万円を下回る場合には
剰余金の配当をすることはできない(458条)
併せて…。
分配可能額がないのに、あるいはそれを超えて剰余金の配当がなされた場合には、
①業務執行者
②金銭等の交付を受けたもの
以上は、会社に対し、交付を受けた金銭等の帳簿価額に相当する金銭を支払う義務を負います(462条1項)
関連問題
次の株式会社の規律は,会社債権者の保護を目的とするものか、株主の保護を目的とするものか選べ。
株式会社は,純資産額が300万円を下回る場合には,剰余金の配当をすることができないものとされている。
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個人の商人が選任する支配人について、適切か否か答えよ。
判例によれば,営業所としての実質がない場所を営業所と称し,そこに置いた使用人に支配人類似の名称を付している場合には,この使用人は表見支配人に該当する。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
本店・支店の実質を有しない場合でも、それが登記されている場合には、
善意の第三者に対抗できない結果、実質を有するものとして処理される。
[自説の根拠]会社法908条2項
営業所としての実質を備えているものであることを要する為、問題に即せば「営業所としての実質がない」の部分が誤りですね。
[自説の根拠]最判S37.5.1
「商法四二条にいう「本店又ハ支店」とは商法上の営業所としての実質を備えているもののみを指称すると解するのを相当とする」
裁判所のPDFは、http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319124434504765.pdf
です。
現在は、商法24条です。
[自説の根拠]自説の根拠は、最判昭和37年5月1日民集16巻5号1031頁
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自己の株式の取得について、適切か否か答えよ。
自己の株式の取得が行われた場合,貸借対照表上は,取得の対価として交付された財産の帳簿価額相当額が純資産の部(株主資本)から控除される形で表示される。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
取得した自己株式は、取得原価をもって純資産の部の株主資本から控除し、期末に保有する自己株式は、純資産の部の株主資本の末尾に自己株式として控除形式で表示します(自己株会計基準7項、8項)。
自己株式の取得に関しては資産説ではなく「資本控除説」を採用しているということですね!
[自説の根拠]TAC 税理士講座TEXTより
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株主総会について、適切か否か答えよ。
株主総会で株主から特定の事項について説明を求められた場合において,当該事項について説明をするために調査をすることが必要であるときは,当該株主が株主総会の日より相当の期間前に当該事項を当該会社に通知していたとしても,取締役は,当該株主総会において,説明をする必要はない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
設立時取締役は、創立総会において、設立時株主から第一項の規定による調査に関する事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。
(会社法 93条3項)
株主総会の権限は、決議により会社の意思を決定することであり、取締役等の説明義務は、株主総会における決議事項につき、株主が賛否を決するために合理的判断をなすために必要な資料を提供するところにあると解される。とすれば、取締役等の説明義務は、合理的な平均的株主が、株主総会の目的事項を理解し決議事項について賛否を決して議決権を行使するにあたり、合理的判断をするのに客観的に必要な範囲において認められるものと解すべきである。
会社法314条の例外規定は、常識的に判断できるものばかりですので、「取締役は,当該株主総会において,説明義務あり」と覚えましょう。
[自説の根拠]自説の根拠は、福岡地判平成3年5月14日
(取締役等の説明義務)
第314条 取締役、会計参与、監査役及び執行役は、株主総会において、株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。ただし、当該事項が株主総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。
[自説の根拠]会社法第314条
(取締役等の説明義務)
第71条 法第314条に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一 株主が説明を求めた事項について説明をするために調査をすることが必要である場合(次に掲げる場合を除く。)
イ 当該株主が株主総会の日より相当の期間前に当該事項を株式会社に対して通知した場合
ロ 当該事項について説明をするために必要な調査が著しく容易である場合
二 株主が説明を求めた事項について説明をすることにより株式会社その他の者(当該株主を除く。)の権利を侵害することとなる場合
三 株主が当該株主総会において実質的に同一の事項について繰り返して説明を求める場合
四 前3号に掲げる場合のほか、株主が説明を求めた事項について説明をしないことにつき正当な理由がある場合
[自説の根拠]会社法施行規則第71条(取締役等の説明義務)
関連問題
株主の権利について、適切か否か答えよ。
株主は,株主総会の会議の目的事項に関し,取締役・監査役に対する質問事項を事前に会社に通知しておくことができるが,この事前通知があっても,株主が総会において質問をしなければ,取締役・監査役に説明の義務は生じない。
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株式会社の設立について、適切か否か答えよ。
募集設立において,会社の成立の時における検査役の調査を経ていない財産引受けの目的財産の価額が定款に記載され,又は記録された価額に著しく不足するときは,発起人は,その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合でも,当該不足額を支払う義務を免れることができない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額(定款の変更があった場合にあっては、変更後の価額)に著しく不足するときは、発起人及び設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う。
(会社法 52条)
(1)現物出資者・財産引受けの譲渡人である発起人
=無過失責任(52条2項)
(2)(1)以外の発起人、設立時取締役
①検査役の調査を経た場合=免責(52条2項1号)
② 〃 経ていない場合
発起設立=過失責任(52条2項2号)
募集設立=無過失責任(103条1項)
(出資された財産等の価額が不足する場合の責任)
第52条 株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額(定款の変更があった場合にあっては、変更後の価額)に著しく不足するときは、発起人及び設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う。
2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、発起人(第28条第1号の財産を給付した者又は同条第2号の財産の譲渡人を除く。第2号において同じ。)及び設立時取締役は、現物出資財産等について同項の義務を負わない。
一 第28条第1号又は第2号に掲げる事項について第33条第2項の検査役の調査を経た場合
二 当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合
3 第1項に規定する場合には、第33条第10項第3号に規定する証明をした者(以下この項において「証明者」という。)は、第1項の義務を負う者と連帯して、同項の不足額を支払う義務を負う。ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。
[自説の根拠]会社法第52条
発起設立(25条1項)の場合は52条2項1号又は同項2号のいずれかの要件を満たせば責任を免れるが、103条1項より、募集設立(25条2項)の場合、同条で準用される52条2項1号の要件を満たすことのみにおいてその責任を免れる。
募集設立なので発起人以外に設立時の”株主”がいる。
その株主に対しての責任を発起人は負っているので、募集設立のケースの発起人は現物出資、財産引受の不足額を払う。
関連問題
株式会社の設立について、適切か否か答えよ。
発起人は,自らが行った現物出資の目的財産の価額が定款に定めた額に著しく不足する場合でも,職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明すれば,会社に対して当該不足額を支払う義務を免れることができる。
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株主総会の決議要件について、適切か否か答えよ。なお,株主総会において決議を要する場合であることを前提とし,かつ,株式会社の定款には,別段の定めがないものとする。
会社の解散の決議と,吸収合併消滅株式会社においてする吸収合併契約の承認の決議とは,決議要件が同じである。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年07月06日)
○
特別決議を要する事項
・会社の解散の決議(会社法第309条第2項第11号、第471条)
・吸収合併消滅会社においてする吸収合併契約の承認の決議(会社法第309条第2項第12号、第783条)
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委員会設置会社における計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書並びに連結計算書類について、適切か否か答えよ。
各事業年度に係る連結計算書類を作成した委員会設置会社においては,当該連結計算書類の内容及びその監査の結果は定時株主総会に報告されなければならないが,当該連結計算書類は定時株主総会の承認を受けることを要しない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年07月06日)
○
株主総会に提出、又は提供された計算書類は、定時株主総会の承認を受けることが原則であるが(会社法第438条第2項)、会計監査人設置会社については、法務省令で定める要件に該当する場合には、取締役会の承認を受けた後、定時株主総会に報告されれば足りる(同法第439条、第436条第3項)。
4項 連結計算書類は、法務省令で定めるところにより、監査役(委員会設置会社にあっては、監査委員会)及び会計監査人の監査を受けなければならない。
7項 次の各号に掲げる会計監査人設置会社においては、取締役は、当該各号に定める連結計算書類を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。この場合においては、当該各号に定める連結計算書類の内容及び第四項の監査の結果を定時株主総会に報告しなければならない。
二 前号に掲げるもの以外の会計監査人設置会社 第4項の監査を受けた連結計算書類
[自説の根拠]会社法第444条
ちなみに委員会設置会社に会計監査人の設置は義務です。
[自説の根拠]会社法第327条
問題は連結計算書類に関する質問なのでtigereyeさんの提示した会社法第444条の方が適切ですね。たくさんの方に御評価頂きましたが、不適切で失礼致しました。
☆新入生☆ 定年退職後66歳で50年ぶりに英語勉強再開。 猛勉強の甲斐あり2級は幸せな事に一発合格。 この6月に準一級挑戦予定。 余りの難しさに折れそうですが錆びついた脳に油を注ぎながら頑張ります。 準一 @英検 (42秒前)
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次の説明は、株式会社の株式に関する記述である。
株式交換における株式交換完全子会社の発行済株式総数は,株式交換によっては変動しない。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
次の各号に掲げる株式会社(以下この目において「消滅株式会社等」という。)は、吸収合併契約等備置開始日から吸収合併、吸収分割又は株式交換(以下この節において「吸収合併等」という。)がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)後六箇月を経過する日(吸収合併消滅株式会社にあっては、効力発生日)までの間、当該各号に定めるもの(以下この節において「吸収合併契約等」という。)の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。
3号 株式交換完全子会社 株式交換契約
(会社法 782条1項3号)
もう少し詳しく解説していただけませんか?
例えば親会社の1株に対し子会社となる会社の2株が同等価値である場合、子会社の発行済株数は株式交換により半分になるとはならないのですか?
株式を交換するだけなら「発行済」の株式総数は変わらない、ということじゃないですか。
交換比率があるとしても、新たに発行するなどしなければ総数は変わりませんから。
株式交換で完全子会社になるのは、発行済株式全部を親会社が取得することなので、株式の新規発行がないので、株式総数は増えないのです。
関連問題
株式会社の組織再編について、適切か否か答えよ。
株式交換をする場合,株式交換完全子会社となる会社の債権者は,株式交換について異議を述べることができる。
2
次の説明は、株式会社の組織再編行為に関する記述である。
吸収合併をする場合において,吸収合併消滅会社が新株予約権を発行しているときは,当該新株予約権に係るすべての新株予約権者が当該新株予約権の買取請求をすることができる。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
会社が吸収合併をする場合において、吸収合併存続会社が持分会社であるときは、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。
6号 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の金銭の割当てに関する事項
(会社法 751条1項6号)
ごく簡単にいうと、「新株予約権の発行時の条件・予定と違っていたら」新株予約権買取請求権が行使できるということです。
つまり、marlboroさんの解説の通り、「あらかじめ組織再編の際は、存続会社の新株予約権を交付する」等の条件が定められていた場合は、買取請求権を行使できません。
※解説は、既存の株式に対しての買取請求権の説明ですが、新株予約権には当てはまらないと思います。(新株予約権では議決権行使ができないのですから)
[自説の根拠]【会社法であそぼHP】新株予約権買取請求権の項
吸収合併において買取請求できる新株予約権を会社法787条1項1号で「同法236条1項8号の条件に合致する新株予約権以外の新株予約権」とのみ法定する。
具体的に言えば、
①発行時に将来、吸収合併された時、存続会社の新株予約権を交付する旨とその条件を定めた場合、
②同旨と同条件を定めたが、存続会社が交付する条件が合致しない時
上記二とおり以外の新株予約権は買取請求をすることができる。
事前反対は関係ありませんが、上記2とおりの場合、新株予約権の買取請求ができませんので本問は×です
[自説の根拠]会社法787条1項1号および同法236条1項8号
吸収合併において買取請求できる新株予約権を会社法787条1項1号で「同法236条1項8号の条件に合致する新株予約権以外の新株予約権」とのみ法定する。
具体的に言えば、
①発行時に将来、吸収合併された時、存続会社の新株予約権を交付する旨とその条件を定めた場合
②その条件が発行時の条件に合致する場合
上記二つのどちらにも該当する新株予約権以外の新株予約権は買取請求をすることができる。
つまり
[自説の根拠]日本語も内容もおかしいので訂正します
関連問題
株式会社を存続会社及び消滅会社とする吸収合併について、適切か否か答えよ。
合併により消滅会社の権利義務は存続会社に包括的に承継されるので,消滅会社が発行していた新株予約権を,存続会社が承継しないものとすることはできない。
3
甲株式会社は,その定款において,A種類株式とB種類株式の2種類の種類株式を発行する旨定めている。(定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとする)
現にA種類株式を4万株発行している場合において,A種類株式の発行可能種類株式総数を6万株から3万株に減少させる旨の定款の変更をすることはできない。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
種類株式発行会社が次に掲げる行為をする場合において、ある種類の株式の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該行為は、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。
1号 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数の増加 (会社法 322条1項1号ハ)
定款を変更してある種類の株式の発行可能種類株式総数を減少するときは、変更後の当該種類の株式の発行可能種類株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における当該種類の発行済株式の総数を下ることができない。
[自説の根拠]会社法 第144条 第1項
上のかた、「114条」です。
これは、種類株式に限らず、すべての株式についても同様に、発行可能株式総数を、既に発行した株式総数以下に減少する定款の変更はできません。
当然と言えば当然のことですね。
[自説の根拠]会社法第113条2項(発行可能株式総数)
関連問題
次の説明は、株式会社の定款に関する記述である。
1株当たりの利益配当額を2対1の割合とする2種類の株式を発行することは,その旨の定款の定めをすれば可能である。
4
次の説明は、発起設立には当てはまるが,募集設立には当てはまらない株式会社の設立に関する記述である。(定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとする)
会社が発行することができる株式の総数を定款で定めていないときは,会社の成立の時までに,発起人全員の同意によって,定款を変更して,これを定めなければならない。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
発起人は、発行可能株式総数を定款で定めている場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、発行可能株式総数についての定款の変更をすることができる。
(会社法 37条2項)
発起設立の場合は、「発起人全員の同意によって」
募集設立の場合は、「創立総会の決議によって」
発行可能株式総数を定款で定めていないときは、株式会社成立のときまでに、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない
と、いうことですね。
[自説の根拠]自説の根拠は、会社法37条1項、98条
会社法37条
1項 発起人は、株式会社が発行することができる株式の総数(以下「発行可能株式総数」という。)を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。
よって、発起設立の場合は当てはまります。
これに対し、募集設立の場合は、時期によって、発起人全員の同意によってできるかどうかが異なります。
[自説の根拠]会社法95条
第57条第1項の募集をする場合には、発起人は、第58条第1項第3号の期日又は同号の期間の初日のうち最も早い日以後は、第33条第9項並びに第37条第1項及び第2項の規定にかかわらず、定款の変更をすることができない。
http://www.geocities.jp/twypw828/kmssH18am32s.htm
(つづき)
95条の「第58条第1項第3号の期日」とは「設立時募集株式と引換えにする金銭の払込みの期日又はその期間」のことです。
つまり、募集設立の場合、払込み期日(期間の場合はその初日のうち最も早い日)までは、発起人全員の同意によって、定款を変更できるが、その日以降は、できないということです。
そして、その日以降は、株式会社の成立の時までに、創立総会の決議によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければいけません。
[自説の根拠]会社法98条
第57条第1項の募集をする場合において、発行可能株式総数を定款で定めていないときは、株式会社の成立の時までに、創立総会の決議によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。
会社法37条、95条、98条 http://www.geocities.jp/twypw828/kmssH18am32s.htm
関連問題
株式会社の設立について、適切か否か答えよ。
株式会社が発行することのできる株式の総数は,会社成立時までには定款に定めておかなければならない。
5
次の説明は、()内に「合名会社」又は「合資会社」のいずれかの語の一方は入るが,他方は入らないものに関する記述である。なお,合名会社及び合資会社の定款には,商法の規定と異なる定めは,設けられていないものとする。
()が社員の債務を保証する場合には,他の社員の過半数の決議が必要である。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
(利益相反取引の制限
新会社法、第三篇持分会社
第595条 業務を執行する社員は、次に掲げる場合には、当該取引について当該社員以外の社員の過半数の承認を受けなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。
1.業務を執行する社員が自己又は第三者のために持分会社と取引をしようとするとき。
2.持分会社が業務を執行する社員の債務を保証することその他社員でない者との間において持分会社と当該社員との利益が相反する取引をしようとするとき。
としており、合名・合資いずれも適用されます。
この問題の意味がいまいちよくわかりません。なにが×なのか?
honjoxさん、
問題文の()に合名会社、合資会社をそれぞれ入れてみてください。
どちらか一方のみ当てはまる場合は○ですが、この問題の場合、両方とも当てはまるので×です。
多分↑の方のコメでOKだと思いますが、一概には言えません。見解をいくつか…
根拠法
会社法第595条(利益相反取引の制限)第2項は、
「業務執行社員は、『持分会社』に債務保証をさせる場合には、他の社員の過半数の『承認』を受けなければならない」旨を規定しています。
【見解①】
商法595条では「持分会社」として規定しており、合同会社又は合資会社に区別していない。よって本肢が同条に関する記述ならば、肢( )にはいずれの語も入る、と理解する。
↓※つづく
↑※つづき
【見解②】
商法595条が解除要件として定めるのは「承認を受ける」ことだが、本肢は「決議が必要」としている。よって本肢が同条に関する記述ならば、肢( )にはいづれの語も入らない、と理解する。
【見解③】
法務局の見解によると、合同会社は「当該社員の議決権を定足数に算入しない総社員の過半数の承認決議」を要し、合資会社は「決議にかえて署名捺印及び印鑑証明書を添付した同意書」でよいとする。よって本肢が同条の公示に係る記述ならば、肢( )には「合同会社」が入る、と理解する。
[自説の根拠]議決…(可決、同意、承認、認定など)採決による議会の意思決定。
決議…議会の意思を表明する必要がある場合の議決。
承認…権限決定された事項に対して賛成する議決。
認定…決算議案に対して賛成する意思表明。
採択…請願に対して賛成する議決。
可決…議案に対して賛成する議決。
※この定義によらない例も多々あります
この問題に関連して、
595条(利益相反取引の制限)
業務を執行する社員は、次に掲げる場合には、当該取引について当該社員以外の社員の過半数の承認を受けなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。
1号 業務を執行する社員が自己又は第三者のために持分会社と取引をしようとするとき。
2号 持分会社が業務を執行する社員の債務を保証することその他社員でない者との間において持分会社と当該社員との利益が相反する取引をしようとするとき。
に違反した場合
[自説の根拠]596条(業務を執行する社員の持分会社に対する損害賠償責任)
業務を執行する社員は、その任務を怠ったときは、持分会社に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
859条(持分会社の社員の除名の訴え)
持分会社の社員(以下この条及び第861条第一号において「対象社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象社員の除名を請求することができる。
3号 業務を執行するに当たって不正の行為をし、又は業務を執行する権利がないのに業務の執行に関与したこと。
第860条(持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え)
持分会社の業務を執行する社員(以下この条及び次条第二号において「対象業務執行社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象業務執行社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象業務執行社員の業務を執行する権利又は代表権の消滅を請求することができる。
1号 前条各号に掲げる事由があるとき。
2号 持分会社の業務を執行し、又は持分会社を代表することに著しく不適任なとき。
595条に違反すると、損害賠償責任を負わなければならず、
持分会社の社員の除名の訴えや、業務執行権又は代表権の消滅の訴えを提起されることがあります。
「業務を執行しない社員は含まないんじゃ?」と思って×にしましたが、条文では「当該社員以外の社員」「対象業務執行社員以外の社員」と書かれているので、業務を執行しない社員も含むみたいですね。
[自説の根拠]会社法595条、596条、859条、860条
6
会社関係訴訟について、適切か否か答えよ。
株主総会決議の内容が定款に違反するときは,株主総会決議取消しの訴えによらなければ,訴訟上,その主張をすることができない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
次の各号に掲げる訴え(以下この節において「会社の組織に関する訴え」と総称する。)については、当該各号に定める者を被告とする。
17号 株主総会等の決議の取消しの訴え 当該株式会社
(会社法 834条1項17号)
●(株主総会等の決議の取消しの訴え)
①株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき
②株主総会等の決議の内容が定款に違反するとき。
③株主総会等の決議について特別の利害関係
を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。
●(株主総会等の決議無効確認の訴え)
②株主総会等の決議の内容が法令に違反するとき。【注意】
[自説の根拠]会社法第830条、831条より
判例(株主総会招集の~許されない。)の根拠条文
831条
2項 前項の訴えの提起があった場合において、株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる。
「その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは~請求を棄却することができる。」
この部分の反対解釈ですね。
[自説の根拠]831条1項2項
単純に考えれば設問の回答は正しいが、組織再編の無効原因として株主総会の承認決議に取消事由がある場合などは設問の回答が変わってくるので、問題の条件設定はもっと限定的であるべき。
関連問題
株主総会における瑕疵ある決議についての訴訟について、判例の判旨に照らして適切か否か答えよ。
株主総会決議無効確認の訴えは,決議の内容が法令又は定款に違反する場合に,提起することができる。
7
株式会社の設立について、適切か否か答えよ。
判例によれば,定款に記載しないで行われた財産引受けは,特段の事情のない限り無効であるが,会社がこれを追認すればさかのぼって有効となる。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
追認が認められるかどうかは議論があるようですが、
上記判例ではこれを絶対的に無効と解し、会社側からの
追認は認めない、としているようです。
昭和26(オ)510 土地建物返還並不動産所有権移転登記請求 昭和28年12月03日 最高裁判所第一小法廷
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319123055326543.pdf
定款に記載しないで行われた財産引受けは,特段の事情のない限り無効であるが,会社がこれを追認しても,さかのぼって有効とはならない(最判昭28.12.3)。
成立後の会社がその財産の取得手続を踏めば無効の財産引受けを追認することができる,とする有力説があるが,判例(最判昭28.12.3)は追認を認めていない。
[自説の根拠]http://homepage2.nifty.com/adachi_law/shou/comb/cn19/cn19s38q.htm
8
取締役会設置会社の取締役について、適切か否か答えよ。
委員会設置会社の取締役の確定した額の金銭による報酬については,報酬委員会において個人別の額を決定しなければならない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
委員会設置会社の取締役会は、前項第一号イからホまでに掲げる事項を決定しなければならない。
(会社法 416条2項)
(報酬委員会による報酬の決定の方法等)
第409条 報酬委員会は、執行役等の個人別の報酬等の
内容に係る決定に関する方針を定めなければならない。
2 報酬委員会は、第404条第3項の規定による決定を
するには、前項の方針に従わなければならない。
3 報酬委員会は、次の各号に掲げるものを執行役等の
個人別の報酬等とする場合には、その内容として、
当該各号に定める事項を決定しなければならない。
ただし、会計参与の個人別の報酬等は、第1号に
掲げるものでなければならない。
(1) 額が確定しているもの 個人別の額
(2) 額が確定していないもの 個人別の具体的な
算定方法
(3) 金銭でないもの 個人別の具体的な内容
「執行役等」には執行役と取締役が含まれます(404条2項1号)。
したがって、dragonroadさんの指摘通り、409条3項により報酬委員会は個人別の額を決定しなければなりません。
委員会設置会社でない場合の取締役の報酬は、株主総会において総額の最高限度額を決定すればよいとされている(最判昭和60年3月26日)こととの対比で覚えるとよいのではないでしょうか。
[自説の根拠]参照:361条1項
関連問題
委員会設置会社について、適切か否か答えよ。
報酬委員会は,取締役及び執行役の個人別の報酬の内容を決定する。
9
異なる種類の株式について、適切か否か答えよ。
種類株式発行会社において単元株制度を採用する場合には,その単元株式数は,株式の種類ごとに定めなければならない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
種類株式発行会社においては、単元株式数は、株式の種類ごとに定めなければならない。
(会社法 188条3項)
会社法188条3項
(単元株式数)
第188条 株式会社は、その発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は種類株主総会において一個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨を定款で定めることができる。
2 前項の一定の数は、法務省令で定める数を超えることはできない。
3 種類株式発行会社においては、単元株式数は、株式の種類ごとに定めなければならない。
関連問題
単元株について、適切か否か答えよ。
種類株式発行会社において単元株制度を採用するときは,各種類株式に係る単元株式数は,同じ数でなければならない。
10
新株予約権について、適切か否か答えよ。
募集新株予約権の行使に際して出資される財産の価額が当該募集新株予約権の発行時の株価より著しく低い場合には,その募集事項の決定は,株主総会の特別決議によらなければならない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
上の方のおかげで再考しました
本問ケースについて
有利発行とされるなら、特別決議なのですが、
本設問肢の条件では、有利発行、とは未だいえない、ということのようです。
もっとはるかに極端な場合を有利発行というようです。
たとえば1億円相当の新株を、実質10万円で引き受けてしまうというようなケース。
株価の時価に関しては値上がることも値下がることもあるわけで、その範囲内なら問題にならない。そもそもどちらの側にも何らか有利であるから新株予約権の制度が利用される。
[自説の根拠]江頭憲治郎『株式会社』第2版P705~706の記述より、私は上記のように読み取ります、要は、もっと著しい、濡れてに粟、的状況を規制の対象にしていると思われます。
公開会社がする、新株予約権の発行においては、有利発行であっても、それが株主割当の方式でなされる時は、株主総会の特別決議の必要はない。
[自説の根拠]会社法241条5項
H22行書問38でも同様の出題がされてます。
解説によると、新株予約権者が新株を受取るまでの費用は、①「新株予約権の発行価額」と、②「権利行使価額」に分けられるが、有利発行にあたるかどうかは238条3項により、①「新株予約権の発行価額」で判断するとされている。
設問の『募集新株予約権の行使に際して出資される財産の価額』は②「権利行使価額」にあたるので、これが有利であることをもって、即座に有利発行にあたるとはいえない。
従って必ずしも特別決議が必要とはいえない。という事です。
[自説の根拠]行政書士試験!合格道場 過去問解説抜粋
11
取締役の競業取引又は利益相反取引について、適切か否か答えよ。
判例によれば,取締役会設置会社において,取締役と会社との間の取引が株主全員の合意によってされた場合には,利益相反取引としての取締役会の承認を受けることを要しない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
取締役会設置会社においては、臨時計算書類(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の監査を受けたもの)は、取締役会の承認を受けなければならない。
(会社法 441条3項)
S49.9.26
商法二六五条が取締役と会社との取引につき取締役会の承認を要する旨を定めている
趣旨は、取締役がその地位を利用して会社と取引をし、自己又は第三者の利益をはかり、会社ひいて株主
に不測の損害を蒙らせることを防止することにあると解されるところ、原審の適法に確定したところによると、
日本毛糸から上告人への株式の譲渡は、日本毛糸の実質上の株主の全員であるAら前記五名の合意によ
つてなされたものというのであるから、このように株主全員の合意がある以上、別に取締役会の承認を要し
ないことは、上述のように会社の利益保護を目的とする商法二六五条の立法趣旨に照らし当然であつて、
右譲渡の効力を否定することは許されないものといわなければならない。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=26852&hanreiKbn=01
旧商法
第二百六十五条 取締役ガ会社ノ製品其ノ他ノ財産ヲ譲受ケ会社ニ対シ自己ノ製品其ノ他ノ財産ヲ譲渡シ会社ヨリ金銭ノ貸付ヲ受ケ其ノ他自己又ハ第三者ノ為ニ会社ト取引ヲ為スニハ取締役会ノ承認ヲ受クルコトヲ要ス会社ガ取締役ノ債務ヲ保証シ其ノ他取締役以外ノ者トノ間ニ於テ会社ト取締役トノ利益相反スル取引ヲ為ストキ亦同ジ
2 前項前段ノ承認アリタル場合ニ於テハ民法第百八条 ノ規定ヲ適用セズ
3 前条第二項ノ規定ハ第一項ノ取引ヲ為シタル取締役ニ之ヲ準用ス
[自説の根拠]上記条文
関連問題
会社法が採用している次の規律について,株主保護を目的とするものであるか否か答えよ。
取締役会設置会社の取締役が自己又は第三者のために会社と取引をしようとするときは,取締役会の承認を要する。
12
取締役の競業取引又は利益相反取引について、適切か否か答えよ。
取締役会設置会社の取締役が会社の事業と同じ種類の事業を行っている他の株式会社の業務執行者に就任するためには,当該取締役会設置会社の取締役会の承認を受けなければならない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
取締役は、定款に別段の定めがある場合を除き、株式会社(取締役会設置会社を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。
(会社法 348条)
「就任」すること自体は「競業取引」にはあたらない
として、許されると解されているようです。
企業結合等の意味でも、制限する必要はないという考えが
あるのかもしれませんね。
支配人に関しては規定されてますが、取締役の競業避止義務に設問文のようなものは含まれていませんので×です。
[自説の根拠]会社法12条1項3号4号
取締役が自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する「取引」をしようとするときは、株主総会又は取締役会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならないが、取締役が、同種の事業を営む他の会社の「業務執行者」になること自体は、会社法の規制対象ではないとされている。
施行規則2条3項
六 業務執行者
イ 業務執行取締役、執行役その他の法人等の業務を執行する役員
ロ 業務を執行する役員、法第598条第1項の職務を行うべき者その他これに相当する者
ハ 使用人
関連問題
会計参与について、適切か否か答えよ。
監査役設置会社及び委員会設置会社でない株式会社において,会計参与は,その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは,遅滞なく,これを株主に報告しなければならない。
13
株式,新株予約権及び株式会社の発行する社債の異同について、適切か否か答えよ。
株券,新株予約権証券又は社債券の発行されていない株式,新株予約権又は社債(振替株式,振替新株予約権又は振替社債を除く。)の譲渡は,その株式,新株予約権又は社債を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿,新株予約権原簿又は社債原簿に記載し,又は記録しなければ,株式会社その他の第三者に対抗することができない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年07月06日)
○
第130条(株式の譲渡の対抗要件)
第257条(新株予約権の譲渡の対抗要件)
第688条(社債の譲渡の対抗要件)
会社法で、混乱中です。
原簿への記載・記録がない場合でも第三者には対抗できると覚えていました。どなたかご教示いただければ幸いです。
上の条文そのままですよ。新株予約権は新株予約権原簿に、社債の譲渡は社債原簿に必要事項を記載、又は記録する事が第三者に対する対抗要件です。例えば株券発行会社の対抗要件と混同しているか、もしくは譲渡自体の効力は当事者間では記載又は記録無しでも有効に成立する。とかとの知識の混同ですかね?私も会社法は苦手ですが本試験では4問確実に出るので少しでも知識を増やして何とか得点したいですね。
譲渡自体は意思表示のみで成立するも、第三者対抗要件を備えません。
思うに、本問がranchanさんを混乱をさせるものは「証券の占有」による対抗要件である旨の認識だと思います。
本問は「株券,新株予約権証券又は社債券の発行されていない⋯⋯」と証券を発行しない旨を前提とする問題で、証券発行なくして「証券の占有」も、それによる対抗要件も成立しません。
格対抗要件は原則、massieさんの説明とおり。
証券発行の場合は130条2項、257条2項、688条2項を参照
[自説の根拠]130条2項、257条2項、688条2項等
14
監査役会設置会社の監査役及び委員会設置会社の監査委員の異同について、適切か否か答えよ。
監査役はその職務を行うため必要があるときは,また,監査委員会が選定する監査委員は監査委員会の職務を執行するため必要があるときは,いずれも,子会社に対して事業の報告を求めることができる。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年07月06日)
○
会社法405条2項
監査委員会が選定する監査委員は、監査委員会の職務を執行するため必要があるときは、委員会設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
会社法381条3項
監査役は、その職務を行うため必要があるときは、監査役設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
ということで、設問文は条文のとおりで正しい記述だと思います。
[自説の根拠]自説の根拠は、上記条文
15
会社の公告について、適切か否か答えよ。
株式会社は,定款で公告方法を定めなければならない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年07月06日)
×
「公告方法」は絶対的記載事項にありませんので、誤り。定めなかった場合は官報で行うものと推定されます。
絶対的記載事項
1.目的
2.商号
3.本店の所在地
4.設立に際して出資される財産の価格又はその最低額
5.発起人の氏名又は名称及び住所
6.発行可能株式総数
[自説の根拠]会社法第27条、37条
広告の方法は相対的記載事項です。相対的記載事項とは、法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項のことをいいますが、絶対的記載事項と異なり、定款に記載がなくても、直ちに定款は無効となりません。ただし、記載がないと、その事項につき効力が認められません。
[自説の根拠]江頭・株式会社法
定款に定めがない場合は官報によることの根拠条文です。
(会社の公告方法)
第九百三十九条 会社は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定款で定めることができる。
一 官報に掲載する方法
二 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
三 電子公告
2 外国会社は、公告方法として、前項各号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。
4 第一項又は第二項の規定による定めがない会社又は外国会社の公告方法は、第一項第一号の方法とする。
[自説の根拠]自説の根拠は、会社法939条1項、2項及び4項です。
53点
うーん、チョットまずいかも。ここが踏ん張りどころです。
1
次の説明は、会計参与に関する記述である。
会計参与は,公認会計士または監査法人でなければならない。 公認会計士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
会計監査人は、公認会計士又は監査法人でなければならない。
(会社法 337条)
会計監査人もセットで覚える時、
【会計】と付くので、公認【会計】士
【監査】と付くので、【監査】法人
これらは上記解説にあるように、会計参与にもなれる者です。
●会計参与の資格(会社法第333条)公認会計士、監査法人、税理士、税理士法人
●会計監査人の資格(会社法第337条)公認会計士、監査法人
[自説の根拠]会社法第333条、第337条
会計参与の部分を、会計監査人に変えれば正解です。
関連問題
会計参与について、適切か否か答えよ。
会計参与は,公認会計士若しくは監査法人又は税理士若しくは税理士法人でなければならない。
2
次の説明は、株式会社の計算等に関する記述である。(定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとする)
資本金の額を減少するには債権者保護手続をとる必要があるが,資本準備金の額の減少については債権者保護手続をとる必要がない場合がある。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
合同会社が資本金の額を減少する場合には、当該合同会社の債権者は、当該合同会社に対し、資本金の額の減少について異議を述べることができる。
(会社法 627条)
「減少する準備金の額の全部を資本金とする場合」すなわち、準備金を減らしてその分資本金を増やす場合は除かれています。
[自説の根拠]会社法449条
会社法第448条1項
「株式会社は、準備金の額を減少することができる。この場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 減少する準備金の額
二 減少する準備金の額の全部又は一部を資本金とするときは、その旨及び資本金とする額
三 準備金の額の減少がその効力を生ずる日」
449条1項
「株式会社が資本金又は準備金(以下この条において「資本金等」という。)の額を減少する場合(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)には、当該株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、資本金等の額の減少について異議を述べることができる。ただし、準備金の額のみを減少する場合であって、次のいずれにも該当するときは、この限りでない。
一 定時株主総会において前条第一項各号に掲げる事項を定めること。
二 前条第一項第一号の額が前号の定時株主総会の日(…)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないこと。」
●準備金の額の減少(先に株主総会普通決議が必要)での債権者保護手続きの要否
①減少した準備金を全て資本金にする場合→不要
②減少した準備金の一部を剰余金にして、一部を資本金にする場合→必要
③減少した準備金の全てを剰余金にする場合→必要
(準備金の減少であっても剰余金の発生→配当→会社財産の食いつぶしの可能性)
【例外】定時総会で準備金の額を欠損の額の範囲内で減少する場合は債権者保護手続きは不要
[自説の根拠]会社法449条より
関連問題
株式会社の計算について、適切か否か答えよ。
資本準備金の額の減少をする場合において,減少する資本準備金の額の全部を資本金とするときは,債権者保護手続を経ることを要しない。
3
次の説明は、株式の譲渡につき取締役会の承認を要する旨の定款の定めがある株式会社には当てはまるが,当該定款の定めがない株式会社には当てはまらないものに関する記述である。
定款の定めを設ければ取締役会の決議で自己の株式を買い受けることができる。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
1. 157条から第160条までの規定は、株式会社が市場において行う取引又はw:証券取引法第27条の2第6項 に規定する公開買付けの方法(以下この条において「市場取引等」という。)により当該株式会社の株式を取得する場合には、適用しない。
2. w:取締役会設置会社は、市場取引等により当該株式会社の株式を取得することを取締役会の決議によって定めることができる旨を定款で定めることができる。
3. 前項の規定による定款の定めを設けた場合における第156条第1項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第165条第1項に規定する場合にあっては、株主総会又は取締役会)」とする。
[自説の根拠]会社法第165条
会社法165条2
「取締役会設置会社は、市場取引等により当該株式会社の株式を取得することを取締役会の決議によって定めることができる旨を定款で定めることができる。」
よって
「株式の譲渡につき取締役会の承認を要する旨の定款の定めがある株式会社」
と
「株式の譲渡につき取締役会の承認を要する旨の定款の定めがない株式会社」
のいずれも買い受けることができる。
[自説の根拠]会社法165条2
譲渡制限付株式発行会社(非公開会社)だと、上場会社ではないから、通常市場取引は発生しない。しかしながら、株主からの買取請求(会社法140条)の場合は、自己の株式を買取できる場合がある。ってロジックでしょうか?
(ただ140条では、取締役会設置会社であれば、定款で定める必要性もない?)
[自説の根拠]多分評価は低いでしょうね。
4
会社関係訴訟について、適切か否か答えよ。
株主が株主総会決議の内容に法令違反があるとして,株主総会決議無効確認の訴えを提起したが,法令違反が認められないとして敗訴した場合,後に他の株主が同一理由によって株主総会決議無効確認の訴えを提起することはできない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
次の各号に掲げる訴え(以下この節において「会社の組織に関する訴え」と総称する。)については、当該各号に定める者を被告とする。
16号 株主総会等の決議が存在しないこと又は株主総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え 当該株式会社
(会社法 834条1項16号)
会社法838条
会社法 第838条(認容判決の効力が及ぶ者の範囲)
会社の組織に関する訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。
従って、棄却判決については再度、訴えを提起できる。
[自説の根拠]●法 第●条 第●項 第●号
<判決の効力>
1)原告敗訴(請求棄却判決)の場合
→ 確定判決の効力は訴訟当事者間にのみ生じる(民訴115条)
2)原告勝訴(請求認容判決)の場合
→ 確定判決の効力は、当事者以外の第三者にも及ぶ(会社法838条)
関連問題
株主総会における瑕疵ある決議についての訴訟について、判例の判旨に照らして適切か否か答えよ。
株主総会決議無効確認の訴えは,決議の内容が法令又は定款に違反する場合に,提起することができる。
5
監査役設置会社の取締役又は監査役の報酬について、適切か否か答えよ。
判例によれば,使用人兼務取締役については,取締役として受ける報酬に関する事項のみを株主総会で決議するのでは足りず,使用人分給与についても株主総会で決議することを要する。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
取締役の報酬については、会社法361条より定款に記載がない場合は株主総会の決議によって決めるとあるが、株主総会の決議事項に使用人分給与に関する事項はない。
[自説の根拠]自説の根拠は、会社法361条
残念ながら悪問です。
361条の趣旨はお手盛り防止です。
使用人として受ける額がいくらか分からなければ、株主総会はお手盛りを防止できません。
例えば、使用人として特別の地位を作り、その給与を年1億円にして、取締役としての給与を年200万円にした場合を想像して下さい。
判例も、「使用人として受ける給与の体系が明確に確立されている場合には」という留保を付けています。
問題文は無制限に認める書きぶりになっており、不適切です。
[自説の根拠]http://www.loi.gr.jp/knowledge/businesshomu/homu02/houmu03-03-07.html
使用人兼務取締役が取締役として受ける報酬額の決定についても、少なくとも被上告会社のように使用人として受ける給与の体系が明確に確立されており、かつ、使用人として受ける給与がそれによつて支給されている限り、(…)使用人兼務取締役について、別に使用人として給与を受けることを予定しつつ、取締役として受ける報酬額のみを株主総会で決議することとしても、取締役としての実質的な意味における報酬が過多でないかどうかについて株主総会がその監視機能を十分に果たせなくなるとは考えられない。
[自説の根拠]昭和59(オ)1100 株主総会決議無効確認 昭和60年03月26日 最高裁小法廷
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319130852786458.pdf
最判昭和60年を考慮すれば、「要しない場合もある」といいえるため、要すると断言している本問は×ということになります。
6
株式会社の組織再編について、適切か否か答えよ。
事業譲渡において,譲渡会社の事業の一部を譲り受ける場合には,譲受会社においては,株主総会の決議を必要としない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
会社が商人の営業を譲り受けた場合には、当該商人を譲渡会社とみなして、前二条の規定を適用する。
(会社法 24条2項)
事業の全部ではなく一部譲渡の場合、譲り受ける側の決議は不要ですので、正しい。
[自説の根拠]会社法第467条1項2号
本問はなお微妙な問題です
467条1項3号で、譲受の場合が規定されています(同項1号2号は譲渡しの場合です)
そうすると、会社法上、全部の譲受けの場合は、309条2項11号と合わせて、譲受会社は株主総会での特別決議が必要される、のみなんですよ(明文規定なしです)。
だから、α株主総会決議は不要なのか、β普通決議で足りるとするのか、は反対解釈に委ねられる
したがって単問では明確に◎とは言い切れない
実際、取締役会の決議のみでホイホイ譲受けていいものなんですかねえ??
[自説の根拠]弥永リーガルマインドには記載なし。
手持ちのTACのビジホーテキストには、無難に特別決議は不要とまでしか書いていない。
辰巳パーフェクト過去問では、本記述は正しい、と言い切って、弥永リーガルのページをあげているのですが、弥永リーガルにはその記載が見当たりません。。
会社法であそぼの葉玉氏(会社法立案者の一人、お役人、弁護士)のブログでは、上記の場合、譲受会社では株主総会は不要という前提でいろいろ解説をしています。
譲受会社は、事業全部の譲受の場合以外、株主総会の決議は不要(規制なし。明文ない。467条1項3項反対解釈)
かつ、事業全部の譲受であっても、譲り受ける事業の対価として交付される財産の帳簿価額が譲受会社の純資産額の 1/5(定款で引下げ可)を超えない場合,譲受会社では株主総会決議は不要(468条2項)
ということになると思います
[自説の根拠]会社法は、こと細かに規定があるので、明文ない、となると、?? となりましたが、規定がない→規制がない(すっぱり何もない)、というところなんでしょう、ここは。
解説は、多分書き間違いかと思われますが、3行目『譲受会社は、事業全部の~場合不要』ではなく『事業一部の~場合不要』ですよね?
後はおっしゃる通りかと思います。
467条(事業譲渡等の承認等)
株式会社は、次に掲げる行為をする場合には、当該行為がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。)の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない。
3号 他の会社(外国会社その他の法人を含む。次条において同じ。)の事業の全部の譲受け
他の会社の事業の「全部」の譲受けの場合には、株主総会の承認を要するが、一部の譲受けの場合には、株主総会の承認を要しない(規定されていない)。
よって○
[自説の根拠]467条1項3号 http://homepage2.nifty.com/adachi_law/shou/comb/cn18/cn18s48q.htm
7
株式会社の組織再編について、適切か否か答えよ。
吸収分割後吸収分割株式会社に対して債務の履行の請求ができない吸収分割株式会社の債権者は,吸収分割株式会社に対し,吸収分割について異議を述べることができる。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、存続株式会社等に対し、吸収合併等について異議を述べることができる。
2号 吸収分割をする場合 吸収分割承継株式会社の債権者
(会社法 799条1項2号)
(債権者の異議)
第789条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、消滅株式会社等に対し、吸収合併等について異議を述べることができる。
一 吸収合併をする場合 吸収合併消滅株式会社の債権者
二 吸収分割をする場合 吸収分割後吸収分割株式会社に対して債務の履行(当該債務の保証人として吸収分割承継会社と連帯して負担する保証債務の履行を含む。)を請求することができない吸収分割株式会社の債権者(第758条第8号又は第760条第7号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、吸収分割株式会社の債権者)
三 株式交換契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権である場合 当該新株予約権付社債についての社債権者
[自説の根拠]会社法789条
関連問題
次の説明は、株式会社(種類株式発行会社を除く。)と合同会社との間に結ばれる株式交換契約等の効力に関する記述である。
合同会社を分割会社とし,株式会社を承継会社とする吸収分割契約は効力を生じることはない。
8
株主総会決議について、判例の趣旨に照らして適切か否か答えよ。
取締役を選任する株主総会決議が不存在の場合に,当該取締役によって構成される取締役会で選任された代表取締役が,その取締役会の招集決定に基づいて株主総会を招集しても,その株主総会での決議は,いわゆる全員出席総会にあたるなどといった特段の事情がない限り,不存在である。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
前条第二項及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。この場合においては、その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集株式の数の上限及び払込金額の下限を定めなければならない。
(会社法 200条)
H2.4.17
地位確認等 平成2年04月17日 最高裁判所第三小法廷
—
このように取締役を選任する旨の株主総会の決議が存在するものとはいえない場合においては、当該取締役によって構成される取締役会は正当な取締役会とはいえず、かつ、その取締役会で選任された代表取締役も正当に選任されたものではなく、株主総会召集権限を有しないから、このような取締役会の招集決定に基づき、このような代表取締役が招集した株主総会において新たに取締役を選任する旨の決議がされたとしても、その決議は、いわゆる全員出席総会においてされたなど特段の事情がない限り、法律上存在しないものといわざるを得ない。
[自説の根拠]http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319121117470150.pdf
関連問題
株主総会決議取消しの訴えについて、判例の趣旨に照らして適切か否か答えよ。
取締役会設置会社の代表取締役が取締役会決議に基づかないで株主総会を招集し,決議がされた場合には,株主は,株主総会決議取消しの訴えを提起することができる。
9
株式会社の計算について、適切か否か答えよ。
株式の無償割当てにより株式が発行された場合には,新たに資本金は計上されない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
種類株式発行会社が次に掲げる行為をする場合において、ある種類の株式の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該行為は、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。
3号 第百八十五条に規定する株式無償割当て
(会社法 322条1項3号)
会社法計算規則
(株式無償割当てをする場合)
第十六条 株式無償割当てをする場合には、資本金等増加限度額は、零とする。
「株式無償割当て」または「株式の分割」を行った場合、発行済株式総数は増加しますが、資本金の額は変わりません。
参考:株式分割と株式無償割当ての違い
* 株式無償割当ては株式の発行であるため、株主に対して自己株式を交付することができるのに対し、株式分割ではなし得ない
* 株式分割は発行会社が有する自己株式(いわゆる金庫株)にも株式を交付しなければならないのに対し、株式無償割当ての場合は金庫株に対しては株式を行使してはならない
10
株主総会における瑕疵ある決議についての訴訟について、判例の判旨に照らして適切か否か答えよ。
株主総会決議取消しの訴えが適法に提起された後に原告である株主につき相続があった場合には,その相続人が原告の地位を承継する。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
第百六十条第二項及び第三項の規定は、株式会社が株主の相続人その他の一般承継人からその相続その他の一般承継により取得した当該株式会社の株式を取得する場合には、適用しない。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
2号 当該相続人その他の一般承継人が株主総会又は種類株主総会において当該株式について議決権を行使した場合
(会社法 162条1項2号)
持分譲渡→訴訟承継なし
相続→訴訟承継あり
∵相続で訴訟が終了すると不都合だから。つまり、提訴期間経過後に原告が死んだ場合、相続人は訴訟を提起できない。したがって、瑕疵を是正できなくなる。
[自説の根拠]自説の根拠は、最大判昭和45・7・15民集24・7・804.最高裁のPDFは、http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319121926153001.pdf
関連問題
次の説明は、株主総会に関する記述である。
法令の規定及び最高裁判所の判例に照らして適切か否か答えよ。
株主総会の決議取消しの訴えを提起した場合においては,その提訴期間が経過した後であっても,新たな取消事由を追加して主張することができる。
11
会計参与について、適切か否か答えよ。
会計参与も,株主代表訴訟の対象となる。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
次に掲げる者は、会計参与となることができない。
1号 株式会社又はその子会社の取締役、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人
2号 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者
3号 税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第四十三条の規定により同法第二条第二項に規定する税理士業務を行うことができない者
(会社法 333条3項)
株主代表訴訟の対象となるのは
①関係者
・発起人
・設立時取締役
・設立時監査役
・役員等(取締役・会計参与・監査役・執行役・会計監査人)
・清算人
②違法な利益供与を受けた者(会社法120条3項参照)
③不公正価額での株式・新株予約権の発行を受けた者(会社法212条1項、285条1項)
[自説の根拠]会社法847条
12
新株予約権について、適切か否か答えよ。
新株予約権者は,会社の承諾を得て,募集新株予約権の払込金額の払込みに代えて,当該会社に対する債権をもって相殺することができる。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
新株予約権者は、第一項の規定による払込み又は前項の規定による給付をする債務と株式会社に対する債権とを相殺することができない。
(会社法 281条3項)
会社法246条2項
第二百四十六条 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合には、新株予約権者は、募集新株予約権についての第二百三十六条第一項第四号の期間の初日の前日(第二百三十八条第一項第五号に規定する場合にあっては、同号の期日。第三項において「払込期日」という。)までに、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの募集新株予約権の払込金額の全額を払い込まなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、新株予約権者は、株式会社の承諾を得て、同項の規定による払込みに代えて、払込金額に相当する金銭以外の財産を給付し、又は当該株式会社に対する債権をもって相殺することができる。
株式の引受けの場合は相殺することができないこと(208条3項)、新株予約権の行使のときには相殺することができないこと(281条3項)との対比で覚えるとよいと思います。
株式発行は資金調達が目的なので相殺されるとその目的を達することができませんが、新株予約権の発行はその前段階なので、相殺しても資金調達に影響はないからです。
13
吸収合併又は吸収分割について、適切か否か答えよ。
同一の種類の社債においては,各社債の金額は,均一であるか,又は最低額をもって整除することができるものでなければならない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
会社は、社債を発行した日以後遅滞なく、社債原簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下この章において「社債原簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。
2号 種類ごとの社債の総額及び各社債の金額
(会社法 681条1項2号)
「同一種類の社債にあっては各社債は均一の金額であるかまたは最低額をもって整除できる金額でなければならない」
合併では上記制限が適用されるが分割においては上記のような社債発行制限はない、ということでしょうか。
どなたかご教示御願いします。
[自説の根拠]会社法299条
旧商法第二百九十九条
同一種類ノ社債ニ在リテハ各社債ノ金額ハ均一ナルカ又ハ最低額ヲ以テ整除シ得ベキモノナルコトヲ要ス
—
この肢は単純に、会社法制定前の旧商法にあった上記の条文がなくなったよ、という知識問題として理解すればいいのではないでしょうか。
hitoshiさん、その通りですね。有難う御座います!
調べたのですが問題文の規定はありませんでした。しかもワタクシがコメントした「会社法299条」は「株主総会の招集の通知」であり、本問とは関係ありませんでした。失礼しました。
[自説の根拠]hitoshiさんのコメントには敬服します。
14
株式会社を各当事会社とする合併について、適切か否か答えよ。
吸収合併において,吸収合併消滅株式会社の反対株主が当該吸収合併消滅株式会社に対し会社法所定の手続に従って自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求した場合,当該反対株主は,吸収合併契約に定められた吸収合併がその効力を生ずる日から30日以内に,裁判所に対し,価格の決定の申立てをすることができる。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年07月06日)
×
(反対株主の株式買取請求)
第785条
5 第1項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の20日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。
会社法786条2項
「株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。」
[自説の根拠]自説の根拠は、786条2項
裁判所による公正な価格の決定は困難であり、費用も高額になることが予想されるため、直接、裁判所に価格の決定の申立てをするのではなく、先に当事者間で協議を行う必要がある。
[自説の根拠]会社法786条1項
15
株主代表訴訟について、適切か否か答えよ。
株主は,株式会社に著しい損害が生ずるおそれがある場合には,株式会社に対する提訴請求をすることなく,直ちに株主代表訴訟を提起することができる。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年07月06日)
×
第847条
六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主は、・・・
ということですね。
会社法847条5項では「回復することができない損害が生ずるおそれがある場合」となっていますが、設問では「著しい損害が生ずるおそれがある場合」となっているので、誤った記述となります。
同条1項(株主期間6ヶ月)および同条3項(会社への提訴請求の日から60日)の期間を待ってから責任追及の訴え(株主代表訴訟)を提起したのでは「回復不能となる損害が発生」してしまい、もはや手遅れとならないようにするための規定です。
尚、同条1項の株主期間の規定は、「非公開会社」には適用されません。(同条2項参照)
[自説の根拠]会社法847条1項、2項、3項、5項
著しい損害が生ずるおそれがある場合→企業努力で、まだなんとかなる。
回復不能となる損害が発生→覆水盆に返らず状態で、どうにもならない。
どうにもならない状態じゃないと、提訴できないということですかね。
40点
うーん、チョットまずいかも。ここが踏ん張りどころです。
1
次の説明は、監査役会設置会社に関する記述である。
監査役は,取締役が会社の目的の範囲外の行為その他法令もしくは定款に違反する行為をするおそれがある場合にはいつでも,その取締役に対して,その行為の差止請求権を行使することができる。 公認会計士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
会計監査人は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監査役に報告しなければならない。
(会社法 397条)
【会社法第385条】
監査役は、取締役が監査役設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監査役設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。
「当該行為によって当該監査役設置会社に著しい損害が生ずるおそれがある」ことが必要です。
「著しい損害が生ずるおそれ」ということだから、多少の損害の可能性は大目に見ろというわけで、結局ほとんどの場合「やめろ」とは請求できないですね。
[自説の根拠]著しい損害が生じるおそれに関する条文
業務執行者の報告義務に関する条文
・取締役から株主(監査役、監査役会)への報告義務(357条)
・執行役から監査委員への報告義務(419条1項)
差止に関する条文
・株主から取締役への行為の差止請求(監査役設置、委員会設置会社を除く)(360条1項)
・監査役(監査委員)から取締役への行為の差止請求(385条1項)(407条1項)
議事録閲覧・謄写に関する条文
・監査役設置会社、委員会設置会社での株主・債権者からの取締役会議事録の閲覧・当 社請求(371条6項)
・株主から会社への監査役会議事録の閲覧・謄写請求(394条4項)
・株主から会社への委員会議事録の閲覧・謄写請求(413条5項)
回復することができない損害が生じるおそれに関する条文
差止に関する条文
・株主から取締役への行為の差止請求(監査役設置、委員会設置会社)(360条3項)
・株主から執行役への行為の差止請求(422条1項)
訴えに関する条文
・会社の解散の訴え(833条1項1号)
・株主が会社へ提訴の請求を経ないで行う役員の責任追及の訴え(847条5項)
著しいおそれ、でないときは監査役は取締役(取締役会)に報告しなければならない
[自説の根拠]会社法382条
関連問題
次の説明は、監査役が設置されている株式会社に関する記述である。(定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとする)
株主による取締役の行為の差止請求権の行使については,監査役の監査の範囲が会計に関するものに限定されているか否かによって,その要件が異なることはない。
2
次の説明は、取締役会設置会社における募集株式の発行に関する記述である。
会社は,募集株式の引受けの申込書の中から割当てを受ける者とその者に割り当てる株式数を定めるにあたって,割り当てる株式の数を申込者が引き受けようとする募集株式の数より減少することができる。 公認会計士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
株式会社は、申込者の中から募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集株式の数を定めなければならない。この場合において、株式会社は、当該申込者に割り当てる募集株式の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。
(会社法 204条)
会社法第204条第1項
株式会社は、申込者の中から募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集株式の数を定めなければならない。この場合において株式会社は、当該申込者に割り当てる募集株式の数を、前条第2項第2号(※)の数よりも減少することが出来る。
(問題の「申込書」は誤字でしょうか?)
※ 会社法第203条第2項
第199条第1項の募集に応じて募集株式の引受けの申込みをする者は、次に挙げる事項を記載した書面を株式会社に交付しなければならない。
2 引受けようとする募集株式の数
関連問題
株式会社の設立について、適切か否か答えよ。
募集設立の場合,発起人は,自ら株式を引き受けてはならず,株主の募集を行って申込人に株式を割り当てなければならない。
3
次の説明は、種類株式に関する記述である。
株式会社は,剰余金の配当を受ける権利も残余財産の分配を受ける権利もない株式を発行することができる。 公認会計士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
株式会社は、単元未満株主が当該単元未満株式について次に掲げる権利以外の権利の全部又は一部を行使することができない旨を定款で定めることができる。
2号 株式会社による取得条項付株式の取得と引換えに金銭等の交付を受ける権利
(会社法 189条2項2号)
株主に剰余金の配当を受ける権利も残余財産の分配を受ける権利も与えない旨の定款の定めは、効力を有しない。
[自説の根拠]会社法 第105条 第2項
剰余金、残余金どちらも受け取れないとすると投資する意味が全くないということになってしまいます。尤も株価の変動からは利益は出るかもしれませんがそれは株式の本来の意味からは脱するものと思われます。
●株主の権利(会社法105条)
①剰余金の配当を受ける権利
②残余財産の分配を受ける権利
③株主総会の議決権
(①②の権利の全部を与えない定款規定は効力がない)
議決権の全部がない株式の発行は可能
[自説の根拠]会社法105条より
関連問題
法人の剰余金又は残余財産について、適切か否か答えよ。
株主に剰余金の配当を受ける権利及び残余財産の分配を受ける権利の全部を与えない旨の株式会社の定款の定めは,その効力を有しない。
4
次の説明は、株式会社(委員会等設置会社を除く。)において違法配当がされた場合に,株式会社の財産を回復するために採ることができる手段に関する記述である。
違法な配当をした株式会社は,配当を受けた株主に対して,株主が受領した金額の返還を求めることができる。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
消滅株式会社等は、株主総会の決議によって、新設合併契約等の承認を受けなければならない。
(会社法 804条)
違法配当に関しては、会社法に規定があり、分配可能額を超えて金銭等の交付(配当)を受けた者は、善意・悪意にかかわらず、株式会社に対して受領した金額を支払う義務を負います。
[自説の根拠]会社法462条1項・461条1項参照
この問題を読む限り、
会社は自ら違法な配当をしておいて、
返還請求ができるのですね。
違法な配当をすることを決定したのは剰余金の配当を決定する機関が行ったことであり、会社ではありませんので、「会社は自ら違法な配当をしておいて」というのはあまり適当ではありません。
また、なぜ株式会社が株主に対して受領した金額の返還を求めることができるかということは株式会社および株式の本質そのものの問題です。
会社を清算する場合、会社財産はまず会社債権者に弁済し、その残余部分があればこれを株主に分配します。
配当がなされるとそのお金は株主の個人財産となります。
ここで、弁済が完了していないのに会社財産が不足する事態になったとします。
株主は有限責任です。違法とは言え配当金は株主の個人資産になっていますが、有限責任であるため、462条の規定がないと会社債権者はなす術がありません。
つまり、違法配当により会社の財産が減少するのは会社債権者にとってはとても困るのです。(会社法は会社債権者に対する保護が厚い)
そこで、『会社債権者のため』に『違法配当』を『会社』に返還させる462条が規定されているのです。
というようなことが読んだ本に書いてありました。もうちょっと上手に書いてありましたけど。
5
次の説明は、株式会社の定款に関する記述である。
1株当たりの利益配当額を2対1の割合とする2種類の株式を発行することは,その旨の定款の定めをすれば可能である。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
株式会社は、定款を変更して発行可能株式総数についての定めを廃止することができない。
(会社法 113条)
根拠条文は、会社法108条1項1号だと思われます。
株式会社は剰余金の配当について内容の異なる2以上の種類の株式を発行することができる。
会社法108条1項
株式会社は、剰余金の配当について内容の異なる2以上の種類の株式を発行する場合には・・・発行可能種類株式総数を定款で定めなければならない。
会社法108条2項
[自説の根拠]会社法108条1項・2項
6
次の説明は、合併には当てはまるが,株式交換と会社分割には当てはまらない株式会社の組織再編行為に関する記述である。
当該組織再編行為の無効は,当該組織再編の日から6月以内に訴えによってのみ主張することができる。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
次の各号に掲げる訴え(以下この節において「会社の組織に関する訴え」と総称する。)については、当該各号に定める者を被告とする。
6号 会社の組織変更の無効の訴え 組織変更後の会社
(会社法 834条1項6号)
合併、株式交換、会社分割のいずれの場合も、6ヵ月以内に訴えによってのみ主張できます。
[自説の根拠]会社法 第828条 第1項 第7号から第12号まで
組織再編の効力が生じた日から6箇月以内に、訴えをもってのみ主張することができる。
問題文の「当該組織再編行為」をそれぞれ、「合併」「株式交換」「会社分割」と入れ替えてみてください。
「合併」のみ○で、それ以外が×であれば、この問題の答は○ですが、それ以外の場合は、×です。
条文を見ると分かり易いです。
6月以内と6ヶ月以内の違いって、何ですか?
7
次の説明は、()内に「合名会社」又は「合資会社」のいずれかの語の一方は入るが,他方は入らないものに関する記述である。なお,合名会社及び合資会社の定款には,商法の規定と異なる定めは,設けられていないものとする。
()は,合名会社の社員になることはできないが,合資会社の有限責任社員になることはできる。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
合名会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。
1号 有限責任社員を加入させる定款の変更 合資会社
(会社法 638条1項1号)
法人は、株式会社の取締役、執行役になることはできない(331条1項、402条4項)が、持分会社の業務執行社員となることはできる(598条1項)。そして、各社員が、持分会社の業務を執行する(590条1項)。
したがって、法人は、持分会社の社員となることができる。
まず、”あらゆる会社が、持分会社の社員になることができる。”
ということを押さえると、
問題文「( )は,合名会社の社員になることはできないが,合資会社の有限責任社員になることはできる。」
( )には、「合名会社」も、「合資会社」も、挿入すると不適切な文章になる。
ゆえに、
設問「一方は入るが,他方は入らないものに関する記述である」か?
については、「×」が正解となる。
会社は他の会社の無限責任社員となることができます(会社法576条1項4号参照)
問:次の説明は、( )内に「合名会社」又は「合資会社」のいずれかの語の一方は入るが、他方は入らないものに関する記述である。
説明:( )は,合名会社の社員になることはできないが,合資会社の有限責任社員になることはできる。
「合名会社」、「合資会社」の両方が社員になることができるので、他方は入らないものに関する記述では無い為「×」
[自説の根拠]平成17年司法書士試験択一問題[午前の部] 会社法・商法 [問題35]
関連問題
次の説明は、会社の法人性に関する記述である。
会社は,合名会社の社員や合資会社の無限責任社員になることができない。
8
株式会社の取締役について、適切か否か答えよ。
会社法上の公開会社においては,定款の定めによっても,取締役の資格を株主に限定することができない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
第一項各号に掲げる事項を定める場合には、募集事項及び同項各号に掲げる事項は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によって定めなければならない。
3号 株式会社が公開会社である場合 取締役会の決議
(会社法 241条3項3号)
公開会社では出来ません、所有と経営の分離の原則ですね。非公開会社はOK。
[自説の根拠]会社法331条2項
条文追記
===
2 株式会社は、取締役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。ただし、公開会社でない株式会社においては、この限りでない。
[自説の根拠]会社法331条2項
関連問題
株式会社(清算株式会社を除く。)における機関設計について、適切か否か答えよ。
会社法上の公開会社には,取締役会を必ず置かなければならない。
9
資本金について、適切か否か答えよ。
株式会社が保有する自己株式を処分した場合には,処分の対価の額だけ資本金が増加する。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
次の各号に掲げる訴え(以下この節において「会社の組織に関する訴え」と総称する。)については、当該各号に定める者を被告とする。
14号 自己株式の処分が存在しないことの確認の訴え 自己株式の処分をした株式会社
(会社法 834条1項14号)
会社が保有する自己株式は既に払込みが済み、資本金に反映されているべきですので、消却された場合に対価の額の資本金増加はありません。
問題文は、自己株式の「処分」についてであって、「消却」ではありません。もちろんどちらであっても資本金が増加するわけではありませんが、全く別物なので、念のため。
[自説の根拠]消却については会社法178条
関連問題
次の説明は、会社の計算に関する記述である。
株式会社が自己の株式を取得した場合においては,それによって資本金の額が減少するときがある。
10
次の記述について、株式会社は定款所定の目的の範囲内でのみ権利能力を有するという考え方に対する批判として,ふさわしいか否か答えよ。
株式会社は,ある取引が会社に有利な場合にはその無効を主張せず,会社に不利な場合に目的の範囲外のものであるという理由をもってその無効を主張することができることとなり,不都合である。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
「おいしいパンを作ります」という目標を定めたとします。
その会社が不動産取引をしたときに、「パンを作るための工場が必要なんです。目的の範囲内です」といえば有効になり、「不動産取引とパンは関係ないでしょ。目的の範囲外だ」と言えば無効になるようでは、不都合ですよね。
株式会社は,ある取引が会社に有利な場合にはその無効を主張せず,会社に不利な場合に目的の範囲外のものであるという理由をもってその無効を主張することができることとなり,不都合である。
株式会社は定款所定の目的の範囲内でのみ権利能力を有するという考え方に対する批判となる為
[自説の根拠]司法試験 平成19年度 第37問
11
株式会社(清算株式会社を除く。)における機関設計について、適切か否か答えよ。
取締役会を置いた場合には,監査役又は委員会(指名委員会,監査委員会及び報酬委員会をいう。以下同じ。)のいずれかを必ず置かなければならない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
12号 委員会設置会社 指名委員会、監査委員会及び報酬委員会(以下「委員会」という。)を置く株式会社をいう。
(会社法 2条1項12号)
委員会を設置しない非大会社の非公開会社では監査役会と会計参与でも可。
よって「監査役か委員会のどちらか必ず」は誤り。
[自説の根拠]会社法327条2項但書
株式会社の機関設計
公開・大会社
・取締役会 + 監査役会 + 会計監査人 ( + 会計参与 )
・取締役会 + 3委員会 + 会計監査人 ( + 会計参与 )
公開・大会社以外
・取締役会 + 監査役 ( + 会計参与 )
・取締役会 + 監査役会 ( + 会計参与 )
・取締役会 + 監査役 + 会計監査人 ( + 会計参与 )
・取締役会 + 監査役会 + 会計監査人 ( + 会計参与 )
・取締役会 + 3委員会 + 会計監査人 ( + 会計参与 )
非公開・大会社
・取締役 + 監査役 + 会計監査人 ( + 会計参与 )
・取締役会 + 監査役 + 会計監査人 ( + 会計参与 )
・取締役会 + 監査役会 + 会計監査人 ( + 会計参与 )
・取締役会 + 3委員会 + 会計監査人 ( + 会計参与 )
非公開・大会社以外
・取締役 ( + 会計参与 )
・取締役 + 監査役 ( + 会計参与 )
・取締役 + 監査役 + 会計監査人 ( + 会計参与 )
・取締役会 + 会計参与
・取締役会 + 監査役 ( + 会計参与 )
・取締役会 + 監査役会 ( + 会計参与 )
・取締役会 + 監査役 + 会計監査人 ( + 会計参与 )
・取締役会 + 監査役会 + 会計監査人 ( + 会計参与 )
・取締役会 + 3委員会 + 会計監査人 ( + 会計参与 )
327条2項
「取締役会設置会社(委員会設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。ただし、公開会社でない会計参与設置会社については、この限りでない。 」
制度趣旨
「会計参与制度は、会社法の制定時に導入されたものである。会計監査人設置会社(会社2条11号)以外の会社において税理士をそれに選任する形で制度が運用され、中小企業の計算の適正化が図られることが期待されている。」(江頭憲治郎『株式会社法第3版』498頁)。
12
持分会社について、適切か否か答えよ。
合資会社の社員は,他の社員の全員の承諾がなければ,その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
社員は、他の社員の全員の承諾がなければ、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができない。
(会社法 585条)
第585条
1.社員は、他の社員の全員の承諾がなければ、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができない。
2.前項の規定にかかわらず、業務を執行しない有限責任社員は、業務を執行する社員の全員の承諾があるときは、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができる。
3.第637条の規定にかかわらず、業務を執行しない有限責任社員の持分の譲渡に伴い定款の変更を生ずるときは、その持分の譲渡による定款の変更は、業務を執行する社員の全員の同意によってすることができる。
4.前三項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。
業務を執行しない有限責任社員は、業務を執行する社員の全員の同意があればよいので、正解は×になります。
×で正解になりましたが、○が正解ではないのでしょうか?どこが間違いで×なのでしょうか?どなたかご説明をよろしくお願いします。
持分会社の各社員は、原則として会社の業務を執行する(会社法590条1項)のですが、業務を執行する社員を定款で定め(同法591条)、業務を執行しない社員を置く事もできます。
また、合資会社とは、無限責任社員と有限責任社員で構成されている会社のことです。
そこで、 edoger さんに挙げていただいた同法585条2項です。
業務を執行しない有限責任社員が複数存在する場合には、“他の社員の全員の承諾”は必要ではなく、“業務を執行する社員の全員の承諾”があればよいことになります。
関連問題
株式又は持分の譲渡について、適切か否か答えよ。
合名会社の社員は,定款に別段の定めがない限り,他の社員の全員の承諾がなければ,その持分を他人に譲渡することができない。
13
委員会設置会社における計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書並びに連結計算書類について、適切か否か答えよ。
計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は,いずれも,監査委員会及び会計監査人の監査を受けなければならない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年07月06日)
×
会計監査人設置会社(委員会設置会社も含まれる)においては、計算書類及びその附属明細書は、監査役(委員会設置会社にあっては、監査委員会)及び会計監査人の監査を受ける必要があるが、事業報告及びその附属明細書については、監査役(委員会設置会社にあっては、監査委員会)の監査のみで足りる(会社法第436条第2項)。
[自説の根拠]会社法
会計監査人は、読んで名のごとし、会計に関する監査を行います。
計算書類は財務に関する書類ですから、会計監査人の監査を受ける必要がありますが、事業報告は財務以外の報告ですから、会計を調べようがありません。
14
株式会社を各当事会社とする合併について、適切か否か答えよ。
株主総会の決議による承認を要しない合併契約を除き,委員会設置会社の取締役会は,その決議によって,執行役に当該合併契約の内容の決定を委任することができない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年07月06日)
○
(委員会設置会社の取締役会の権限)
第416条
4 委員会設置会社の取締役会は、その決議によって、委員会設置会社の業務執行の決定を執行役に委任することができる。ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。
十六 合併契約(当該委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
[自説の根拠]会社法
15
株式会社を各当事会社とする合併について、適切か否か答えよ。
新設合併において,新設合併設立株式会社は,合併契約に定められた新設合併がその効力を生ずる日から2週間以内に,新設合併設立株式会社の設立の登記をしなければならない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年07月06日)
×
2以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社が株式会社であるときは、922条1項各号に定める日から2週間以内に、新設合併により設立する会社の設立登記をしなければなりません。
そして、設問では、株式会社が各当事会社であるので、922条1項1号に掲げられている日のいずれか遅い日が起算日となります。(イからヘまでの規定有)
したがって、効力を生ずる日から2週間以内に設立登記しなければならないとする記述は誤りとなります。
[自説の根拠]会社法922条1項1号イ~ヘ(新設合併により消滅する会社が株式会社のみである場合)
新設合併(ただし実務ではほとんど用いられない)と吸収合併の違いをまとめてみるよりないですね、ややこしいです。iiikkkaaa さん に同意。
「新設合併」効力発生日=会社成立日⇒つまり、設立登記日。ということは、本肢はあきらかにおかしなことを言っていることになります。
対して、
「吸収合併」効力発生日=合併契約で定めた効力発生日(登記は効力発生要件ではない、ただし第三者対抗要件ではある)
こんな風に覚えると、けっこう択一試験に対応できるのかなと思いますが、どうでしょうか。
[自説の根拠]弥永リーガルP321等
補足:要は、本設問は、吸収合併についての説明なんですね。
新設合併は、そうはならない(一筋縄ではいかない、極めて要件等が面倒くさい→実務にむかない)
新設合併に関する諸要件がスラスラ試験場で出てくる人はまずない。
吸収合併を丸暗記して、新設合併はそうじゃなくて、とても面倒なことになるくらいで(上記コメントくらいを暗記しておく)
余計なコメントかもしれませんが。
[自説の根拠]試験対策、記憶容量
1
次の説明は、監査役会設置会社に関する記述である。
特別取締役の定めがない会社においては,すべての監査役が取締役会に出席し,必要があると認めるときは意見を述べなければならない。 公認会計士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
監査役は、取締役会に出席し、必要があるときは意見を述べなければなりません。例外として、特別取締役による取締役会には全員参加の必要がありません。
根拠条文は、会社法383条1項です。
(参考)
会社法383条第1項但書
「ただし、監査役が2人以上ある場合において、第373条第1項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、監査役の互選によって、監査役の中から特に同条第2項の取締役会に出席する監査役を定めることができる。」
2
次の説明は、株式会社における役員等の選任及び解任に関する記述である。
監査役会設置会社においては,会計監査人が職務上の義務に違反したときは,監査役の過半数をもって行う監査役会の決議により,その会計監査人を解任することができる。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
監査役会の決議は、監査役の過半数をもって行う。
(会社法 393条)
会計監査人は、いつでも株主総会の決議によって解任することができる(339条)。
監査役会設置会社において、会計監査人を解任するには、監査役全員の同意が必要です(会社法340条4項・同2項)。
過半数でよいのは監査役の選任に関する監査役の同意(会社法343条1項)。
関連問題
会計監査人について、適切か否か答えよ。
監査役会設置会社において一時会計監査人の職務を行うべき者を監査役会が選任したときは,その報酬も,監査役会が定める。
3
次の説明は、持分会社に関する記述である。
合資会社の有限責任社員は,定款に別段の定めがある場合を除き,当該合資会社の業務を執行する権限を有する。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
社員は、定款に別段の定めがある場合を除き、持分会社の業務を執行する。
(会社法 590条)
有限責任社員は業務を執行する権限があります。改正前は禁止されていました。
根拠条文は、会社法590条1項です。
会社法590条1項
社員は、定款に別段の定めがある場合を除き、持分会社の業務を執行する。
会社法
第三編 持分会社
第三章 管理
第一節 総則
(業務の執行)
第五百九十条
社員は、定款に別段の定めがある場合を除き、持分会社の業務を執行する。
2 社員が二人以上ある場合には、持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。
3 前項の規定にかかわらず、持分会社の常務は、各社員が単独で行うことができる。ただし、その完了前に他の社員が異議を述べた場合は、この限りでない。
定款の定めは2項に、権限は1項に記載があります。
関連問題
株式又は持分の譲渡について、適切か否か答えよ。
合資会社における業務を執行しない有限責任社員は,定款に別段の定めがない限り,業務を執行する社員の全員の承諾があれば,その持分を他人に譲渡することができる。
4
次の説明は、転換予約権付株式と新株予約権付社債の異同に関する記述である。
転換予約権付株式において,転換予約権だけを譲渡することはできないが,新株予約権付社債においては,社債が消滅していない場合でも,新株予約権だけを譲渡することができる。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
新株予約権付社債についての社債のみを譲渡することはできない。ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅したときは、この限りでない。
(会社法 254条3項)
整理してみます。
この設問は現行法が適用される以前のものと思われます。
旧法において転換予約権付株式とは、
株主の希望で他の種類の株式に転換できる株式、でした。
現行会社法においては取得請求権付株式に整理されました。
取得請求権付株式とは、
株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として
株主が当該株式会社に対して当該株式の取得を請求することができる旨の
定めを設けている場合における当該株式、をいいます。(会社法2条18項)
現行法に照らすと転換予約券付株式は、
異なる種類の株式を発行する会社において、取得請求権付株式の
取得の対価を他の種類の株式とした場合、に該当します。
(会社法108条1項5号、108条2項5号)
翻って、設問前段部分については、現行法においてもその性質上、
取得請求権付株式において取得請求権だけを譲渡することはできません。
設問後段部分については上の何名かの方々の指摘されているとおり、
会社法254条2項の反対解釈で、
新株予約権付社債においては、社債が消滅していない場合には
新株予約権のみを譲渡することはできません。
よって解答は(前段部分によらずとも、後段部分が誤りなので)×となります。
※補足
旧法におけるワラント債には
分離型(権利部分と社債部分を分離できるもの)と
非分離型(ぶんりできないもの)があり、現行法の分類上では
非分離型→新株予約権付社債
分離型→新株予約権+社債
という扱いになっています。
分離型ワラント債は、現行法の新株予約権付社債の範疇からはずれています。
1項で新株予約権は譲渡できるとしている
2項で、1項では譲渡可能としたけども、新株予約権付社債に付された新株予約権のみの譲渡は出来ないとしている(ただし、社債が消滅していれば新株予約権のみの譲渡が可能としている)
おまけですが、3項で新株予約件付社債についての社債のみを譲渡することは出来ないとしている(ただし、新株予約権が消滅していれば社債のみを譲渡することは可能としている)
つまり、新株予約件付社債に関しては、新株予約権部分のみ、または社債部分のみの譲渡は不可だけど、付随する新株予約権または社債が消滅していれば新株予約権のみもしくは社債のみの譲渡が可能です、ということです。
消滅しているのに「一緒に譲渡せよ」というのは意味が無いですからね。
[自説の根拠]会社法第254条各項
結論を書いてませんでした。。
問題後段
>新株予約権付社債においては,社債が消滅していない場合でも,新株予約権だけを譲渡することができる。
社債が消滅していない場合には、新株予約権だけの譲渡は出来ないので回答は「×」です。
「現行法では○」と書いておられる方がおられますが、会社法254条2項を御自分でお書きになってなぜ結論が○となるのかが理解に苦しみます。
関連問題
新株予約権について、適切か否か答えよ。
新株予約権付社債に付された新株予約権は,当該新株予約権についての社債が消滅したときを除き,新株予約権単独で譲渡することができない。
5
会社法第429条第1項に基づく取締役の第三者に対する責任について、判例の判旨に照らして適切か否か答えよ。
取締役の第三者に対する責任が発生するためには,第三者に対する加害についての悪意又は重過失が要件となる。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
取締役は、次に掲げる場合には、株主総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。
2号 取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするとき。
(会社法 356条1項2号)
懈怠(かいたい、英語:laches)とは、法律において実施すべき行為を行わずに放置することを指す。仏教用語の懈怠と同様、けたいとの読みがなされることもある。ということで一般的にはカイタイと読む場合が多いですが、ケタイも間違いではありません。低い評価付けないで下さい。
[自説の根拠]wiki
取締役の第三者に対する責任が発生するためには,任務懈怠についての悪意又は重過失が要件となるのであって、
第三者に対する加害についての悪意又は重過失ではありません。
[自説の根拠]最判昭44.11.26
判例では、
「“任務懈怠につき悪意又は重大な過失”を立証しさえすれば、“自己に対する加害につき故意又は過失”のあることを立証するまでもなく、損害賠償請求ができる」としています。
(もちろん、一般不法行為の規定に基づき、自己に対する加害につき故意又は過失を立証して、賠償請求することも可能ではあります)
従って、誤りは『加害についての悪意又は重過失が要件となる』の部分です。
解説でいう、“相当因果関係”は、要件というより、大前提として同判例の前半で述べられているものです。
[自説の根拠]最判昭和44年11月26日
6
株式について、適切か否か答えよ。
子会社は,無償で取得する場合については,その親会社である株式会社の株式を取得することが禁じられていない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
子会社は、その親会社である株式会社の株式(以下この条において「親会社株式」という。)を取得してはならない。
(会社法 135条)
子会社による親会社株式の取得は原則禁止ですが、「無償」ならば、子会社からの財産流出はなく、親会社の債権者を害することはないので、例外としています。
[自説の根拠]会社法135条、23条4項
「23条4項」というのは、会社法施行規則23条4号のことですね。
====
第二十三条 法第百三十五条第二項第五号 に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一 吸収分割(法以外の法令(外国の法令を含む。以下この条において同じ。)に基づく吸収分割に相当する行為を含む。)に際して親会社株式の割当てを受ける場合
(中略(株式交換、株式移転について同様の記述))
四 親会社株式を無償で取得する場合
(後略)
関連問題
次の説明は、取締役会設置会社による自己株式の取得に関する記述である。
株式会社が株主との合意により自己株式を無償で取得する場合には,株主総会の決議は必要としない。
7
新株予約権について、適切か否か答えよ。
新株予約権付社債に付された新株予約権は,当該新株予約権についての社債が消滅したときを除き,新株予約権単独で譲渡することができない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
新株予約権付社債についての社債のみを譲渡することはできない。ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅したときは、この限りでない。
(会社法 254条3項)
会社法第254条(新株予約権の譲渡)
1. 新株予約権者は、その有する新株予約権を譲渡することができる。
2. 前項の規定にかかわらず、新株予約権付社債に付された新株予約権のみを譲渡することはできない。ただし、当該新株予約権付社債についての社債が消滅したときは、この限りでない。
よって○です。
[自説の根拠]上記条文。
関連問題
次の説明は、転換予約権付株式と新株予約権付社債の異同に関する記述である。
転換予約権付株式において,転換予約権だけを譲渡することはできないが,新株予約権付社債においては,社債が消滅していない場合でも,新株予約権だけを譲渡することができる。
8
特別取締役について、適切か否か答えよ。
特別取締役以外の取締役は,特別取締役による取締役会を招集することができる。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
前項の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができない。
(会社法 369条2項)
特別取締役による取締役会の招集は特別取締役が行ない、他の取締役や株主が招集を行なうことはできません。
[自説の根拠]会社法373条2項
関連問題
会社法上の公開会社であって取締役会設置会社の代表取締役の権限について、適切か否か答えよ。
取締役会は3ヶ月に1回以上招集しなければならないが、その招集権者を代表取締役とすることができる。
9
株式会社の募集設立について、適切か否か答えよ。
委員会設置会社を設立する場合には,創立総会の決議によって設立時執行役を選任しなければならない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年07月06日)
×
(設立時委員の選定等)
第48条 設立しようとする株式会社が委員会設置会社である場合には、設立時取締役は、次に掲げる措置をとらなければならない。
二 株式会社の設立に際して執行役となる者(以下「設立時執行役」という。)を選任すること。
[自説の根拠]会社法
会社法第48条1項2号 設立しようとする株式会社が委員会設置会社である場合、「設立時取締役は」設立時執行役を選任しなければならない。
10
株式について、適切か否か答えよ。
種類株式発行会社が株式無償割当てを行う場合,ある種類の株式の株主に対して,他の種類の株式を割り当てることができる。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年07月06日)
○
株式無償割当てとは
株主に対して、保有株数に応じた一定の割合で払い込みなしに株式を交付することです。株主の有する株数が増加する点では株式分割と同様ですが、株式分割は同じ種類の株式を交付するのに対し、株式無料割当は別の種類の株式を交付することできます。 (カブドットコム証券ホームページより引用)
会社法185~187条に規定があります。
「会社法の施行以前は、株式分割によって、ある株式を有する株主に対し、別の種類の株式を交付することが認められるかどうかが明らかではなかったところ、会社法によって、それを認める制度として導入された」そうです。
[自説の根拠]野村證券ホームページ
11
株式会社(清算株式会社を除く。)の機関について、適切か否か答えよ。
監査役会設置会社は,取締役会を置かなければならない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年07月06日)
○
(取締役会等の設置義務等)
第327条 次に掲げる株式会社は、取締役会を置かなければならない。
一 公開会社
二 監査役会設置会社
三 委員会設置会社
2 取締役会設置会社(委員会設置会社を除く)は、監査役を置かなければならない。ただし、公開会社でない会計参与設置会社についてはこの限りでない。
3 会計監査人設置会社(委員会設置会社を除く)は、監査役を置かなければならない。
4 委員会設置会社は、監査役を置いてはならない。
5 委員会設置会社は、会計監査人を置かなければならない。
[自説の根拠]会社法
12
取締役会設置会社の取締役に対する金銭の貸付けについて、適切か否か答えよ。
金銭の貸付けを受けた取締役が弁済期限までに弁済せず,株式会社に損害が生じた場合において,当該貸付けに関する取締役会の承認の決議に賛成した他の取締役が当該株式会社に対して損害を賠償する責任は,当該取締役が職務を行うにつき善意で,かつ,重大な過失がないときは,株主総会の特別決議によって一定の限度で免除することができる。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年07月06日)
○
株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従うので、善管注意義務が生じる(330条)。
その責任は、過失責任であり、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負い(423条)、その責任は、総株主の同意がなければ免除されない(424条)。
この重い責任を軽減する規定として、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、株主総会の特別決議によって、責任の一部が免除される(425条)。
善意でかつ重大な過失がないときは、株主総会の特別決議によって、責任の一部が免除される
「善管注意義務違反」ではなく、「任務懈怠」による責任だと思います。
当事例は「利益相反取引」に該当(第356条1項2号)し、これにより損害が生じた場合、貸付けを受けた当該取締役のみならず、この取引の「承認決議に賛成した他の取締役」も任務懈怠と推定され、賠償責任を負います。(423条3項3号)
**
そして、この責任は、総株主の同意がなければ免除できませんが、善意かつ重過失がない場合は、特別決議により“一定限度で”免除することができる、としています。(425条1項)
[自説の根拠]会社法第423条3項3号、同425条1項
13
社外取締役,社外監査役及び会計監査人の異同について、適切か否か答えよ。
社外取締役,社外監査役及び会計監査人は,いずれも,その会社に対する損害賠償責任について,定款の定めに基づく責任限定契約を会社と締結することができる。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年07月06日)
○
第427条(責任限定契約)
第424条の規定にかかわらず、株式会社は、社外取締役、会計参与、社外監査役又は会計監査人(以下この条において「社外取締役等」という。)の第423条第1項の責任について、当該社外取締役等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、定款で定めた額の範囲内であらかじめ株式会社が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を社外取締役等と締結することができる旨を定款で定めることができる。
平成26年改正(平成27年5月1日施行)については、これに加え、非業務執行取締役、(業務執行をそもそもしない)監査役も責任限定契約を締結できるようになります。
14
吸収分割について、適切か否か答えよ。
吸収分割承継株式会社が吸収分割株式会社の特別支配会社であるいわゆる略式分割においては,当該略式分割が法令又は定款に違反する場合であって,吸収分割株式会社の株主が不利益を受けるおそれがあるときであっても,当該株主は,当該吸収分割株式会社に対し,当該略式分割をやめることを請求することができない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年07月06日)
×
会社法784条2項
前項本文に規定する場合において、次に掲げる場合であって、消滅株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、消滅株式会社等の株主は、消滅株式会社等に対し、吸収合併等をやめることを請求することができる。
1.当該吸収合併等が法令又は定款に違反する場合
[自説の根拠]自説の根拠は、会社法784条、783条
15
吸収分割について、適切か否か答えよ。
吸収分割の無効は,吸収分割の効力が生じた日から6か月以内に,吸収分割の無効の訴えをもってのみ,主張することができる。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年07月06日)
○
(会社の組織に関する行為の無効の訴え)
828条 次の各号に掲げる行為の無効は、当該各号に定める期間に、訴えをもってのみ主張することができる。
九 会社の吸収分割 吸収分割の効力が生じた日から6箇月以内
[自説の根拠]会社法
プラスアルファ「合併の無効」も合併の効力が生じた日から6か月以内に訴えをもってのみ主張することが出来ます。(828条1項7号8号)いつでも誰でも無効を主張できちゃうととすると法的安定性が害されてしまいますからね(同条2項7号8号)
1
次の説明は、取締役会設置会社による自己株式の取得に関する記述である。
株式会社が株主との合意により自己株式を有償で取得するには,取得する株式の数など会社法に定める事項を,あらかじめ株主総会の決議によって定めなければならないが,その子会社の有する当該株式会社の株式を取得する場合には,取締役会の決議のみで,これらの事項を定めることができる。 公認会計士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
株式会社が株主との合意により当該株式会社の株式を有償で取得するには、あらかじめ、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。ただし、第三号の期間は、一年を超えることができない。
(会社法 156条)
会社法156条1項、同163条。
子会社からの自己株取得は株主不平等の弊害がないので、グループ再編の迅速さを重視する。
(株式の取得に関する事項の決定)
第百五十六条 株式会社が株主との合意により当該株式会社の株式を有償で取得するには、あらかじめ、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。ただし、第三号の期間は、一年を超えることができない。
一 取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)
二 株式を取得するのと引換えに交付する金銭等(当該株式会社の株式等を除く。以下この款において同じ。)の内容及びその総額
三 株式を取得することができる期間
2 前項の規定は、前条第一号及び第二号並びに第四号から第十三号までに掲げる場合には、適用しない。
(子会社からの株式の取得)
第百六十三条 株式会社がその子会社の有する当該株式会社の株式を取得する場合における第百五十六条第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)」とする。この場合においては、第百五十七条から第百六十条までの規定は、適用しない。
2
次の説明は、会社の計算に関する記述である。
会計監査人を設置していない株式会社であっても,定款で定めることにより,取締役会の決議によって剰余金の配当をすることができる場合がある。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
株式会社は、定款の定めによって、取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人又は委員会を置くことができる。
(会社法 326条2項)
根拠条文はtekigaharaさんの解説の通り会社法第454条第5項です。
取締役会設置会社は、一事業年度の途中において一回に限り取締役会の決議によって剰余金の配当をすることができる旨を定款で定めることができる、と書いてあります。
キチンと条文を読むと分かると思います。
[自説の根拠]会社法第454条第5項
「会計監査人を設置していない株式会社であっても」という部分がひっかかりましたので、まとめてみました。
大会社と委員会設置会社は、取締役会と監査役会と会計監査人は必置機関であるから、「会計監査人を設置していない株式会社」とは、公開および非公開会社の大会社以外の会社が該当する。公開および非公開会社の大会社以外の会社でも取締役会は設置できる(326条2項)。
剰余金の配当をするには株主総会の普通決議を経なければならないが(453条、454条1項、309条1項2項10号)、取締役会設置会社は、一事業年度の途中において一回に限り取締役会の決議によって剰余金の配当(配当財産が金銭であるものに限る。「中間配当」という。)をすることができる旨を定款で定めることができる(454条5項)。
「会計監査人を設置していない株式会社であっても」という部分の理解が少し甘いと思いましたので・・・
『剰余金の配当の決定機関』
原則は、「株主総会の普通決議」です。
ただし、定款に定めることにより、
①取締役会設置会社では、一事業年度の途中において1回に限り「取締役会の決議」によってすることができる。〈中間配当〉
②会計監査人設置会社では(459条に細かい要件はありますが)、中間配当以外にも「取締役会の決議」によってすることができる。
①の場合があるので、本問は○です。
関連問題
株式会社の取締役について、適切か否か答えよ。
株式会社は,定款において定めれば,株主からの請求があっても,取締役の選任の場合の累積投票を行わないことができる。
3
次の説明は、持分会社に関する記述である。
持分会社の社員については,いずれの種類の持分会社においても,その全員の氏名又は名称及び住所について,これを定款に記載するとともに,登記しなければならない。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
会社が吸収合併をする場合において、吸収合併存続会社が持分会社であるときは、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。
2号 合資会社 当該社員の氏名又は名称及び住所、当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別並びに当該社員の出資の価額 (会社法 751条1項2号ロ)
定款に記載するのは、正解だと思います。
登記については、合名会社と合資会社は正解だと思いますが、合同会社は違うようです。
[自説の根拠]575条1項
持分会社を設立するには、その社員になろうとするものが定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。
576条1項
持分会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
4号
社員の氏名又は名称及び住所
合名会社の登記912条
登記が必要
合資会社の登記913条
登記が必要
合同会社の登記914条6号、7号、8号
全員ではないようです?
合同会社においては、住所が登記事項なのは代表社員のみです(会社法914条7号)
持分会社の会社債権者に対する保護の考え方は、合名・合資会社と合同会社に2分されている。
合名・合資会社の社員は、社員となるときに出資の履行が必須ではない。
登記簿には、その全員の氏名又は名称及び住所、無限・有限責任社員の別、有限責任社員の出資の目的及びその価額並びに既に履行した出資の価額について登記する。
合同会社の社員は、社員となるときに全額の出資の履行が必要となる。
登記簿には、業務を執行する社員のみの氏名又は名称、代表社員の氏名又は名称及び住所、資本金の額について登記する。
4
次の説明は、会社の組織に関する訴えに関する記述である。(定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとする)
株主総会の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使した場合には,株主は,株主総会の決議の方法が著しく不公正であることを理由として,訴えをもって株主総会の決議の取消しを請求することができる。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
次の各号に掲げる場合には、株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)は、株主総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。当該決議の取消しにより取締役、監査役又は清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第三百四十六条第一項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役又は設立時監査役を含む。)となる者も、同様とする。
3号 株主総会等の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。
(会社法 831条1項3号)
追記ですが、831条1項3号をみると、特別利害関係株主の議決権行使と著しく不当な決議とは因果関係がなければなりません。
ところが同項1号をみると、単に「著しく不公正なとき」に訴えをもって当該決議の取消しを請求することができると規定されています。
問題文に拘って1項3号を読みかえせば問われていることとして理解できなくもありませんが。
会社法第830条、831条より
●(株主総会等の決議の取消しの訴え)
①株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し又は著しく不公正なとき。
②株主総会等の決議の内容が定款に違反するとき(法令は除く)。
③株主総会等の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当(不公正ではない)な決議がされたとき。
●(株主総会等の決議無効確認の訴え)
②株主総会等の決議の内容が法令に違反するとき。
[自説の根拠]会社法第830条、831条より
「株主総会の決議について特別の利害関係を有する者も議決権を行使することができる」ことを前提として、当該議決権の行使により著しく不当な決議がされたときに初めて株主総会の決議の取り消しができる。従って、利害関係を有する者が議決権を行使したことだけをもって、著しく不公正であるという理由にはならないため、決議の取り消しを請求することはできない。
5
次の説明は、会社の組織に関する訴えに関する記述である。(定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとする)
自己株式の処分の無効の訴えは形成訴訟であるから,その請求を認容する確定判決は第三者に対してもその効力を有するが,株主総会の決議の無効の確認の訴えは確認訴訟であるから,その請求を認容する確定判決は第三者に対してその効力を有しない。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
会社の組織に関する訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。
(会社法 838条)
気になったので、
恐縮ですが、
正しくは、株主総会の決議の無効の確認の訴え、は確認訴訟で正しいのです(830)。形成訴訟ではありません。
つまり、本問が誤りなのは、訴訟類型の違いを、対世効の有無の根拠としているところです。
「自己株式の処分の無効の訴え」も「株主総会の決議の無効の確認の訴え」も、その訴訟類型によらず、法律関係の画一的確定の観点から判決確定の既判力は第三者にも及ぶ、という趣旨です(838)。
[自説の根拠]基本書等参照してください、弥生真生『リーガルマインド会社法』等
なるほど、形成訴訟と確認訴訟の別は第三者効とは関係がないので×。
請求認容判決があるかないかが、第三者に対する既判力を有するかどうかを決定づけるんですね(838条)。
認容なら第三者効あり。
棄却や却下なら第三者効なしなので、例えばAの請求が棄却されたら別の原告適格者Bが同じ請求をできると。
形成訴訟=一定の法律状態の変更の要件があることを主張し、その法律関係を変更する判決を求める訴訟。会社設立無効の訴えなど
確認訴訟=一定の権利が存在すること、あるいはしないことを主張して、それについて判決を求める訴え
838条会社の組織に関する訴えに係わる請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する
[自説の根拠]weblio辞書 会社法838条
関連問題
次の説明は、株主総会決議の瑕疵に関する記述である。
株主総会決議取消しの訴えにおいて,請求を認容する判決が確定すると,その判決の効力は,第三者に対しても及ぶ。
6
次の説明は、監査役が設置されている株式会社に関する記述である。(定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとする)
会社法上の公開会社でない株式会社は,大会社であっても,定款によって,その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定することができる。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
第一項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。
17号 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)であるときは、その旨及び監査役の氏名
(会社法 911条3項17号)
大会社であれば、公開・非公開を問わず、”会計監査人”設置会社となる(328条2項)
↓
会計監査人設置会社は、”監査役”の設置が義務となる(327条3項)。
※なお、非公開の大会社は、”監査役”は必須であるが、”監査役会”の設置は任意である。
↓
非公開会社であっても、大会社である以上、定款によって,その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定することができない。(389条1項括弧書き)
ちょっと大きな勘違いがありました。前回のコメントを撤回します。
公開・大会社 ……取締役会&監査役会&会計監査人
非公開・大会社……取締役 &監査役 &会計監査人
公開・中小 ……取締役会&監査役
非公開・中小 ……取締役
が必置の機関です。
結論は、hikaru333さんご指摘どおり――
「大会社である以上,定款によって,その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定することができない」
会計監査人がいる以上、会計だけを監査する者として監査役を要する理由がない。
関連問題
次の説明は、株式会社の解散又は清算に関する記述である。
委員会等設置会社ではない株式会社が解散したときは,監査役は,その地位を失う。
7
次の説明は、監査役が設置されている株式会社に関する記述である。(定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとする)
監査役の監査の範囲が会計に関するものに限定されている監査役の任期は,定款によって,選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することができる。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
会計監査人の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。
(会社法 338条)
上記訂正、下から2行目。
「非公開でない」→「公開会社でない」
勘違いしていましたので、前回のコメントを撤回します。
正しくは、hikaru333さんのコメントにあるとおりです。
「大会社⇒監査役の監査範囲を限定できない」
ゆえに、この問いとは無関係。
公開の 中小会社⇒ 取締役会&監査役
非公開の中小会社⇒ 取締役
――が必置の機関なので、これらの会社では任期10年の監査役があり得る。
会計限定は公開会社ではないという前提条件を示しており、その場合は、伸長可能(会計限定だから伸長できるという意味ではない)。
関連問題
株式会社の監査役について、適切か否か答えよ。
会社は,定款の定めにより,当該会社の監査役の任期を,選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとすることができる。
8
次の説明は、監査役が設置されている株式会社に関する記述である。(定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとする)
監査役の監査の範囲が会計に関するものに限定されている場合における取締役会設置会社の株主は,取締役が当該会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし,又はこれらの行為をするおそれがあると認めるときは,取締役会の招集を請求することができる。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
取締役会設置会社(監査役設置会社及び委員会設置会社を除く。)の株主は、取締役が取締役会設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがあると認めるときは、取締役会の招集を請求することができる。
(会社法 367条)
会社法367条1項で、「取締役会設置会社(監査役設置会社及び委員会設置会社を除く。)の株主は、取締役が取締役会設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがあると認めるときは、取締役会の招集を請求することができる。 」となっているのに、なぜこの問題は○なのでしょう?この問題は、監査役設置会社のことですよね?もしかして、「監査役の監査の範囲が会計に関するものに限定されている場合」がなにか関係しますか?
[自説の根拠]会社法367条1項
会社法2条9号の通り、監査役を置く株式会社でも、その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあるものは、監査役設置会社にはあたりません。即ち、367条1項から除かれない訳です。
●会社法第367条;取締役会設置会社(監査役設置会社及び委員会設置会社を除く)の株主は、取締役が取締役会設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがあると認めるときは、取締役会の招集を請求することができる。
●第2条;⑨監査役設置会社 監査役を置く株式会社(その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあるものを除く。)又はこの法律の規定により監査役を置かなければならない株式会社をいう。
[自説の根拠]会社法第367条、第2条より
関連問題
次の説明は、監査役会設置会社に関する記述である。
監査役は,取締役が会社の目的の範囲外の行為その他法令もしくは定款に違反する行為をするおそれがある場合にはいつでも,その取締役に対して,その行為の差止請求権を行使することができる。
9
次の説明は、()内に「合名会社」又は「合資会社」のいずれかの語の一方は入るが,他方は入らないものに関する記述である。なお,合名会社及び合資会社の定款には,商法の規定と異なる定めは,設けられていないものとする。
()の社員が死亡したときは,その相続人が当該社員に代わって当然に社員となる場合がある。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年07月05日)
×
会社法608条1項には、持分会社(合名・合資・合同会社)は、その社員が死亡した場合…における当該社員の相続人その他の一般承継人が当該社員の持分を承継する旨を定款で定めることができる、とあり、607条1項3号は社員の退社事由を死亡としているので、合名会社も合資会社も定款に定めがない場合には、当然に社員となることはできないと思います。
合名会社・合資会社のいずれも入らないので正解は「×」です。
本問の判断根拠条文は以下のものです。「持分会社は、その社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合における当該社員の相続人その他の一般承継人が、当該社員の持分を承継する旨を定款で定めることができる。」との条文です。「定款」での定めがある限り、合名会社でも合資会社でも相続して社員になれることになる。問題ではこの「定款」での定めの有無には一切触れられていない。従って、回答としては当然になるとは言い切れないので「☓」が回答となる。
[自説の根拠]会社法第608条1項
10
取締役会設置会社における代表取締役の代表行為について、判例の趣旨に照らして適切か否か答えよ。
代表取締役が会社から買い受けた不動産を第三者に転売した場合において,当該第三者が当該会社と代表取締役との間の売買契約について取締役会の承認を受けていないことを知っていたことを会社が証明したときは,当該第三者は,当該不動産を有効に取得することができない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
最高裁判例 昭和42(オ)1327 売掛代金請求
===
取締役と会社との間に直接成立すべき利益相反する取引にあつては、会社は、当該取締役に対して、取締役会の承認を受けなかつたことを理由として、その行為の無効を主張し得ることは、前述のとおり当然であるが、会社以外の第三者と取締役が会社を代表して自己のためにした取引については、取引の安全の見地より、善意の第三者を保護する必要があるから、会社は、その取引について取締役会の承認を受けなかつたことのほか、相手方である第三者が悪意(その旨を知つていること)であることを主張し、立証して始めて、その無効をその相手方である第三者に主張し得るものと解するのが相当である。
===
[自説の根拠]http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319122509302900.pdf
11
資本金について、適切か否か答えよ。
株式会社が株式分割又は株式併合をしても,資本金の額は変わらない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
株式会社は、株式の分割をすることができる。
(会社法 183条)
株式分割又は株式併合では新たな払い込みを伴わないので、正しい記述です。
例えば分割は、1万円の株式を5千円・5千円の2つに分ける
併合は逆に5千円の株式2つを一緒にして1万円の株式1つにする
どちらもトータルの額は変わりませんよね。
あくまでも例え話ですが、こう考えればイメージがしやすいかと思います
関連問題
次の説明は、会社の計算に関する記述である。
株式会社が自己の株式を取得した場合においては,それによって資本金の額が減少するときがある。
12
株主総会決議取消しの訴えについて、判例の趣旨に照らして適切か否か答えよ。
会社の提案する議題に関して,株主が法定の行使期限までに会社に対し適法に議案を提案したにもかかわらず,会社がその要領を招集通知に記載又は記録しないまま,株主総会決議がされた場合には,株主は,株主総会決議取消しの訴えを提起することができる。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
前条第二項及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
(会社法 239条)
(株主総会等の決議の取消しの訴え)
第831条 次の各号に掲げる場合には、株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)は、株主総会等の決議の日から3箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。当該決議の取消しにより取締役、監査役又は清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第346条第1項(第479条第4項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役又は設立時監査役を含む。)となる者も、同様とする。
一 株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。
二 株主総会等の決議の内容が定款に違反するとき。
三 株主総会等の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。
2 前項の訴えの提起があった場合において、株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる。
[自説の根拠]会社法第831条
招集手続に違反がある場合、決議の取消しの訴えを提起することができる。
[自説の根拠]会社法831条1項1号
13
株式会社を存続会社及び消滅会社とする吸収合併について、適切か否か答えよ。
反対株主として株式買取請求をした株主は,その後いつでも自由にその請求を撤回することができる。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
株式買取請求をした株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。
(会社法 116条6項)
反対株主の株式買取請求:民797
6.株式買取請求をした株主は、存続株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。
設問の「自由に」は誤り。
[自説の根拠]会社法797条6項
コメントに補足
買取の価格交渉が整わない時は、両当事者から効力発生日後30日以内に裁判所に買取価格決定の申立ができ、
効力発生日から60日以内にこの申立てがない時は、いつでも買取請求を撤回することができるようになります。
[自説の根拠]会社法786条2項・3項、798条2項・3項
関連問題
次の説明は、合併には当てはまるが,株式交換と会社分割には当てはまらない株式会社の組織再編行為に関する記述である。
当該組織再編行為に反対の株主に株式買取請求権が認められている。
14
社債の発行について、適切か否か答えよ。
委員会設置会社が社債を発行する場合,取締役会は,社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項の決定を執行役に委任することができる。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。
5号 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項
(会社法 362条4項5号)
委員会設置会社の場合には、募集社債に関する事項の決定を取締役会の決議により、執行役に委任することが認められていますので、委任決議がなされている場合には、執行役が社債の発行を決定します。
[自説の根拠]会社416条4項
委員会設置会社の取締役会は、通常の株式会社の取締役会に比較して(会362参照)、業務執行に関して決定すべき事項が限られており、その代わりに、執行役等の監督機能が図られるよう特化されている。
たとえば、社債の発行については、委員会設置会社以外の会社では、362条4項5号により取締役会の決議が必要になるが、委員会設置会社では執行役にその決定を委任することができる。
[自説の根拠]自説の根拠は、LEC完全整理択一六法 商法
15
吸収合併又は吸収分割について、適切か否か答えよ。
吸収分割により吸収分割承継株式会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が法定の額を超えないものとして吸収分割株式会社の株主総会の承認を受けないで吸収分割が行われる場合には,当該吸収分割株式会社の株主には,反対株主の株式買取請求権が認められないが,当該吸収分割承継株式会社の株主には,反対株主の株式買取請求権が認められる。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、その旨を説明しなければならない。
2号 吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が吸収合併消滅株式会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社に対して交付する金銭等(吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社の株式等を除く。)の帳簿価額が承継資産額から承継債務額を控除して得た額を超える場合
(会社法 795条2項2号)
まとめ(株式買取請求が出来ない時)
◎吸収分割承継株式会社(新設分割承継株式会社も同様)
⇒出来ない時がない。(合併、交換、移転も同様)
◎吸収分割株式会社(新設分割株式会社も同様)
⇒簡易分割の時不可
(吸収分割により吸収分割承継株式会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が吸収分割株式会社の総資産額として法務省令により定められる額の1/5を超えないものとして吸収分割株式会社の株主総会の承認を受けないで吸収分割が行われる場合)
第七百八十五条 吸収合併等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、消滅株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。
二 前条第三項に規定する場合
第七百八十四条
3 前条及び前項の規定は、吸収分割により吸収分割承継会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が吸収分割株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(中略)を超えない場合には、適用しない。
[自説の根拠]自説の根拠は、会社法785条1項2号・784条3項です。
*存続株式会社株主:買取請求可。
*消滅株式会社株主:原則買取請求可、請求できない例外あり。
(反対株主の株式買取請求)
第797条1項 吸収合併等をする場合には、反対株主は、『存続株式会社』等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。
(反対株主の株式買取請求)
第785条1項 吸収合併等をする場合『(次に掲げる場合を除く。)』には、反対株主は、『消滅株式会社』等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。
[自説の根拠]会社法第797条、第785条1項
40点
達成おめでとう!
こんばんわ。寝る前に暗記物を覚えて朝起きてすぐに復習するとスゴク効率的ですよ。
お見事!! 本日100問達成記念。福島県・三春滝桜(日本三大桜)の写真で一休み♪
47都道府県の美しい日本の風景を、100問回答毎に表示しています。123種類で1周期です。
宜しければ、ちょっと息抜きコメントでも・・・。現在、学習している方全員にメッセージが送られます。
1
次の説明は、種類株式に関する記述である。
株主総会において決議すべき事項のうち,株主総会の決議のほかに,その種類の株式の株主を構成員とする種類株主総会の決議を要する種類株式を発行することができるのは,公開会社でない株式会社に限られる。 公認会計士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
第九十条第一項の規定により選任された設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、その選任に係る種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会の決議によって解任することができる。
(会社法 92条)
《会社法108条》
委員会設置会社および公開会社は
⑧:株主総会において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの
の定めがある種類の株式を発行することができない。
[自説の根拠]会社法108条
asparagusさんへ
108条の但し書き以降で示されているのは第9号であり、第8号ではありません。valleyさん指摘のとおり。
よって公開会社の有無にかかわらず株式会社であればいいことになり、設問は誤りとなります。
[自説の根拠]自説の根拠は、コメントの正誤を自分で確認するのも勉強ですね。
公開会社が発行できないのは、選解任権付株式だけ!
と覚えておくとシンプルでわかりやすいです。
[自説の根拠]自説の根拠は会社法108条1項1号~9号
関連問題
異なる種類の株式について、適切か否か答えよ。
株式会社は,定款に定めることにより,株主総会のあらゆる決議事項について議決権を行使することができない種類の株式を発行することができる。
2
次の説明は、株式会社の株式に関する記述である。
新株予約権が行使されても,発行済株式総数が増加しない場合がある。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
株式会社が新株予約権を発行するときは、次に掲げる事項を当該新株予約権の内容としなければならない。
5号 当該新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
(会社法 236条1項5号)
株式会社が、自己の有する株式を交付すれば、発行済株式総数は増加しません。
3
次の説明は、持分会社に関する記述である。
持分会社の社員の最低員数は,いずれの種類の持分会社においても,1人である。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割設立会社が持分会社であるときは、新設分割計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。
3号 新設分割設立持分会社の社員についての次に掲げる事項 (会社法 765条1項3号)
「持分会社の社員の最低員数についての規定」はありませんが、
社員については、持分会社個々において、次のような規定があります。
合名会社(会社法第576条第2項):社員は、無限責任社員のみ。
合資会社(同法同条第3項):社員は、無限責任社員+有限責任社員。
合同会社(同法同条第4項):社員は、有限責任社員のみ。
つまり、社員の最低員数は、合名会社および合同会社の1人に対し、
合資会社では、2人となります。
なるほど。
合資会社は無限責任社員と有限責任社員が最低1人ずつ必要なのですね。
勉強になりました。
4
次の説明は、株式会社(委員会等設置会社を除く。)において違法配当がされた場合に,株式会社の財産を回復するために採ることができる手段に関する記述である。
株式会社の債権者は,株主に対して,その善意・悪意を問わず,違法配当により受領した金額を株式会社に返還することを請求することができる。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。
1号 株主名簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
2号 株主名簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
(会社法 125条2項)
なぜ、皆さんのコメントで、463条2項が、根拠に挙げられているのでしょう?それは「求償権」に関する条文でしょう?または、株主の善意・悪意に関係する条文でしょう?
問題文には「善意・悪意を問わず」とあるのだから、根拠条文は、462条第1項では?
すなわち「金銭等の交付を受けた者並びに(…)は、当該株式会社に対し、連帯して、(…)金銭を支払う義務を負う。」
となってますから。
債権者→会社→連帯債務者(株主etc.)という関係です。
株主に対する求償権の制限等(463条)
<違法配当の求償及び返還請求>
「配当を受けた株主」と「職務を行った業務執行者等」が、連帯して、会社に対して「帳簿価額に相当する金銭」を支払う義務を負う。(462条1項)
↓
「連帯責任」となることから、”会社に対して金銭を支払った”「職務を行った業務執行者等」は、「配当を受けた株主」に対して求償できるはず。
↓
しかし、例外。「配当を受けた株主」で、「善意の株主」の場合なら、(株主と連帯債務者である)業務執行者等からの、”求償の請求”に応ずる義務を負わない。(463条1項)
(反対解釈:悪意の株主は、求償の請求に応じる義務がある。)
↓
違法配当を受けた株主が善意の場合だと、会社債権者が害される恐れが生じる。
↓
そこで、「株式会社の債権者」は、「配当を受けた株主」に対して、「帳簿価額に相当する金銭」を、会社に支払わせることができる。(463条2項)
※同条1項の場合と異なり、悪意の株主に限らず、”善意の株主”に対してでも、会社への返還をさせることができる。
これは”会社への返還請求”であって、債権者自身への”求償権”ではない。
463条2項の規定により、「株式会社の債権者は,株主に対して,その善意・悪意を問わず,違法配当により受領した金額を株式会社に返還することを請求することができる。」⇒ ○
会社債権者は、違法配当があった場合、株主に対して会社への返還を請求することができる。株主が善意の場合も制限はないので、この返還請求は、株主の善意・悪意を問わずにすることができる。
[自説の根拠]会社法463条2項/司法書士過去問マスター
5
次の説明は、合併には当てはまるが,株式交換と会社分割には当てはまらない株式会社の組織再編行為に関する記述である。
当該組織再編行為をすると、その当事会社の少なくとも一方は解散する。 司法書士試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
合併には、吸収合併と新設合併があるが、両方ともに当事会社の少なくとも一方は解散する。
株式交換とは、2個以上の株式会社間において、その一方が、もう一方の発行済株式の総数の全部を有するために行う手続(完全親子会社の関係を構築するための手続)であり、どちらも解散しない。
一方、会社分割とは、会社の営業の全部または一部を構成する権利義務関係を他の会社に包括的に承継させる制度であり、必ずしも当事会社の少なくとも一方が解散するわけではない。
6
株式会社の設立について、適切か否か答えよ。
株式会社が発行することのできる株式の総数は,会社成立時までには定款に定めておかなければならない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
株式会社は、その発行する全部の株式の内容として次に掲げる事項を定めることができる。
(会社法 107条)
発行可能株式総数は絶対的記載事項ですが、原始定款記載が必須ではなく、会社成立の時までに記載することとなってます。
株式会社は、定款に発行可能株式総数を定めることを要します。
発行可能株式総数は、定款作成時に定める必要はありませんが、
①発起設立の場合…発起人全員の合意によって
②募集設立の場合…創立総会の決議によって
株式会社が成立するまでに、定款を変更して定めなければなりません。
[自説の根拠]自説の根拠は、37条1項・95条・98条
関連問題
異なる種類の株式について、適切か否か答えよ。
株式会社は,定款に定めることにより,株主総会のあらゆる決議事項について議決権を行使することができない種類の株式を発行することができる。
7
株式会社の設立について、適切か否か答えよ。
設立する会社が会社法上の公開会社である場合には,設立に際して発行可能株式総数の4分の1以上の株式を発行しなければならないが,設立する会社が会社法上の公開会社でない場合には,この限りではない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の四分の一を下ることができない。ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。
(会社法 37条3項)
設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の四分の一を下ることができない。ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。
[自説の根拠]会社法37条3項
↑37条3項は、公開会社において、取締役会が株主総会の承認を得ることなく募集株式の発行をすることができる権限に制限を課し、既存株主の持ち株比率が取締役会の裁量により大幅に低下してしまうことを防ぐ趣旨である。
[自説の根拠]自説の根拠は、LEC完全整理択一六法(商法)です。
関連問題
次の説明は、株式会社の株式に関する記述である。
会社法上の公開会社においては,発行済株式総数は,発行可能株式総数の4分の1を下回ってはならない。
8
単元株について、適切か否か答えよ。
種類株式発行会社において単元株制度を採用するときは,各種類株式に係る単元株式数は,同じ数でなければならない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
種類株式発行会社においては、単元株式数は、株式の種類ごとに定めなければならない。
(会社法 188条3項)
条文です。
種類株式発行会社においては、単元株式数は、株式の種類ごとに定めなければならない。
[自説の根拠]会社法188条3
会社法188条
①株式会社は、その発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は、種類株主総会において一個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨を定款で定めることができる。
②前項の一定の数は、法務省令で定める数を超えることはできない。
③種類株式発行会社においては、単元株式数は株式の種類ごとに定めなければならない
[自説の根拠]会社法188条
関連問題
異なる種類の株式について、適切か否か答えよ。
種類株式発行会社において単元株制度を採用する場合には,その単元株式数は,株式の種類ごとに定めなければならない。
9
株式会社を存続会社及び消滅会社とする吸収合併について、適切か否か答えよ。
合併当事者の一方が特別支配会社であるいわゆる略式合併において,合併についての株主総会決議が不要とされる会社の株主の一定数が異議を申し出た場合には,株主総会決議を不要とすることはできない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
簡易組織再編において株主の一定数が異議を申し出た場合には株主総会決議を不要とすることはできない(会社法796条4項)が、略式組織再編においては問題とならない(会社法796条1項)。
ウィキペディア『略式組織再編行為』『簡易組織再編行為』参照。
[自説の根拠]会社法795条、796条
796条ただし書=吸収消滅株式会社もしくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員または吸収分割会社に対して交付する金銭等が、存続会社等の譲渡制限株式であり、存続会社が非公開の会社のみ株式総会の承認がいる。
簡単に言えば、消滅会社等の株主に交付する対価等が、存続会社の譲渡制限株式で、その会社が非公開会社の場合、株主総会での承認が要りますよってことでいいのかな?
略式合併では、
消滅会社において
存続会社が、消滅会社の特別支配会社(総株主の議決権の90%以上を支配している)である場合、勝ち目のない10%未満の株主の為に株主総会はしない。
存続会社において
消滅会社が、存続会社の特別支配会社である場合、株主総会の決議を要しないが、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、吸収合併をやめることを請求することができる(796条2項)。
簡易組織再編において、一定の場合は株主総会決議を不要とすることはできない
株主の「一定数が異議を申し出た」は
株主総会決議を不要とすることはできない一定の場合には含まれないが、
796条ただし書の場合は
簡易組織再編において
株主総会決議を不要とすることはできない一定の場合にあたる
10
会計参与について、適切か否か答えよ。
株式会社の取締役は,当該会社の親会社の会計参与となることができる。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
第一項各号に掲げる事項を定める場合には、募集事項及び同項各号に掲げる事項は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によって定めなければならない。
3号 株式会社が公開会社である場合 取締役会の決議
(会社法 202条3項3号)
会社法333条
3 次に掲げる者は、会計参与となることができない。
一 株式会社又はその子会社の取締役、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人
関連問題
取締役について、適切か否か答えよ。
親会社の代表取締役は,その子会社である株式会社の社外取締役となることができない。
11
株式会社の設立について、適切か否か答えよ。
募集設立において,会社法上の公開会社の設立時取締役の選任は,創立総会の決議によって行わなければならない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
○
第五十七条第一項の募集をする場合には、設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。
(会社法 88条)
◆設立時取締役等の選任
第57条第1項の募集をする場合には、設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。
[自説の根拠]会社法88条
この問題は完全に誤りです。
「募集設立の場合に,定款で設立時役員等を定めることができるかどうかについて,旧商法時においては,民事局は,許されないと解してきた。しかし,会社法のもとで,民事局の見解としては,募集設立の場合にも 許されるとする見解のようである(登記情報540号 P16~P17)。募集設立の場合には,設立時募集株式の引受けにより株主となる者に定款の内容を知る機会が与えられる上に,創立総会の決議によって定款の内容を変更することもできるというのがその理由である(同P16)。」
[自説の根拠]引用元http://maraya.blog102.fc2.com/
上記の追記
つまり、定款で定めることも可能であり、創立総会での選任でなければならないわけではない。本問は、定款での別段の定めを排除するとの注意書きはない。
関連問題
次の説明は、株式会社の募集設立に関する記述である。
設立時の取締役は,創立総会において選任される。
12
取締役の競業取引又は利益相反取引について、適切か否か答えよ。
判例によれば,株式会社の事業の部類に属する取引に当たるか否かを判断する場合には,株式会社が現に行っている事業との市場での競合性を基準として判断し,仕入先の競合を考慮する必要はない。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
取締役は、次に掲げる場合には、株主総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。
1号 取締役が自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引をしようとするとき。
(会社法 356条1項1号)
判例は、「木工品の製作を主たる目的とする事業の附帯事業のうちには、その原材料たる立木伐採等の買入れを事業を包含する」ものとしており、物品の製造販売を目的とする会社において、その原材料を購入する取引も競業となるもとしている。
[自説の根拠]最高裁昭和24年6月4日
13
吸収合併又は吸収分割について、適切か否か答えよ。
吸収合併の効力は,吸収合併存続会社が本店の所在地において変更の登記をすることにより生ずる。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
会社が吸収合併をする場合において、吸収合併後存続する会社(以下この編において「吸収合併存続会社」という。)が株式会社であるときは、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。
6号 吸収合併がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)
(会社法 749条1項6号)
吸収合併契約に基づいて効力が発生します。
但し、消滅株式会社と存続会社で合意があれば変更ができます。
[自説の根拠]会社法749条1項6号、790条
(株式会社が存続する吸収合併の効力の発生等)
第750条1項 吸収合併存続株式会社は、効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する。
-
*吸収合併の効力は効力発生日に生じます。
効力発生日は吸収合併契約で定めます。
-
(株式会社が存続する吸収合併契約)
第749条1項 会社が吸収合併をする場合において(略)吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。
1~5号略
6号 吸収合併がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)
[自説の根拠]会社法第750条1項、第749条1項6号(上記条文)
組織再編において、「登記」が効力発生要件となるのは、「新設型」(新設合併、新設分割、株式移転)のみ、と覚えておけば良いと思います。(※なお、この場合は、変更登記ではなく設立登記となります)
その他の組織再編は、契約により任意に定めた日が効力発生日となります。
関連問題
株式会社を存続会社及び消滅会社とする吸収合併について、適切か否か答えよ。
吸収合併の効力は,合併の登記の日に生ずる。
14
吸収分割について、適切か否か答えよ。
吸収分割は,吸収分割の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときには,吸収分割の効力が生じた日にさかのぼってその効力を失う。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年07月06日)
×
このような
《会社の組織に関する訴え》
・「吸収分割無効の訴え」
・「吸収合併無効の訴え」
・「組織変更の無効の訴え」などについては、
当該判決において
「無効」とされ、又は「取り消された行為」は
将来に向かってその効力を失う。
また、第三者に対してもその効力を有するそうです。
[自説の根拠]【会社法834条、838条、839条】
15
会社の公告について、適切か否か答えよ。
株式会社は,電子公告を公告方法とする場合には,定時株主総会の終結後遅滞なくしなければならない貸借対照表の公告において,その要旨を公告することで足りる。 司法試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年07月06日)
×
(会社の公告方法)
第939条 会社は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定款で定めることができる。
一 官報に掲載する方法
二 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
三 電子公告
3 会社又は外国会社が第1項第三号に掲げる方法を公告方法とする旨を定める場合には、電子公告を公告方法とする旨を定めれば足りる。
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定款で定める必要があるということでしょうか。
[自説の根拠]法務省電子公告制度について
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji81.html
(計算書類の公告)
第四百四十条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表を公告しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が第九百三十九条第一項第一号又は第二号に掲げる方法である株式会社は、前項に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。
要旨で良いのは、電子公告以外の方法です。
貸借対照表を電子的に公告する場合は省略(要旨)不可
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